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週刊Neue Fahne

2013年04月08日号

「職場環境」の整備が人材育成の効果につながる

 日本生産性本部の「職業のあり方研究会」は、平成25年度の新入社員の特徴を「ロボット掃除機型」と命名したとのこと。
 その心は「一見どれも均一的で区別がつきにくいが、部屋の隅々まで効率的に動き回り家事など時間の短縮に役立つ(就職活動期間が2か月短縮されたなかで、効率よく会社訪問をすることが求められた)。しかし段差(プレッシャー)に弱く、たまに行方不明になったり、裏返しになってもがき続けたりすることもある。能力を発揮させるには環境整備(職場のフォローや丁寧な育成)が必要」とのことだ。

 平成25年の新入社員に対して「ロボット掃除機型」とは確かに言い得て妙ではある。例年、新年度を迎える時期には、“今年の新入社員は「○○型」”とのタイプ分類が話題になり、職場で「そうだ、その通りだ…」といいながら新入社員の素行を話題にして溜飲を下げる先輩社員や年配の社員の存在がいるのも事実だ。しかし、そのメンタリティーには、概ね「最近の若い者は…」と揶揄する心理が働いているのも事実ではないか。
 しかし、単に新入社員を迎い入れる側が溜飲を下げているだけでは、話のネタで終わってしまう。むしろ、何時までもステレオタイプのように「最近の若い者は…」と揶揄する心理を慎まなければならないのは、職場の先輩・上司の側だ。

 ところで、平成25年の新入社員=「ロボット掃除機型」タイプ論には続きがある。それは、人間的で愛嬌があり「頑張って仕事しています」といったニュアンスの動きをする。また、使っているうちにソファーの陰やベッドの下で立ち往生したり、時には段差から転落して、裏返しになった亀のようにもがいていたりする。
 そのため、活用するためには、ある程度、部屋が片づいていることが必要で、雑然とした環境では能力を発揮しにくいので、新卒新入社員を採用した企業にあっては、育成のための研修プログラムを工夫する必要があるというものだ。

 こう考えると先輩・上司の役割は重い。要するにどんなに優秀な人材を採ったとしても、自らが職場として人材を受け入れる環境を整備し、「育成していく」という姿勢をとらなければ、新入社員は一旦ひっくり返ると「もがき続けてしまう」ということだ。
 育成という視点から見たならば新入社員だけではなく、既存社員への「育成姿勢」=(マネジメント意識)が、極めて重要ということだ。
 果たして自社には人材を育成していくという社内の「環境整備」が行われているのか?また、自分自身が新入社員や後輩社員の範となるだけの役割行動を取れているのか否かも含めて、この時期に再考してみる必要がある。

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