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週刊Neue Fahne

2013年05月13日号

管理職が「現場優先主義」に陥っては、マネジメントは機能しなくなる

「管理職の仕事とは何か」と問われた場合、どのように答えるだろうか。たとえば「部下を牽引する」あるいは「リーダーシップを発揮する」など色々な答えがある。人によっては「部下の面倒をみて、相談に乗る」「部下の支援者(メンター)に徹する」との答えもあるだろう。
 そのどれもが正解であろう。決して正解がある訳ではない。つまり、その時々の状況対応によって、正解にもなれば不正解にもなる。
 ところで、最近では一部の中堅社員の間で「管理職にはなりたくない」という傾向が発生している。なかには卑近な例で「残業手当がつかなくなるから…」という理由もあるという。自らの仕事を「時間労働」に矮小化するならば、当然の帰結なのかもしれないが、こうした発想をしていてはマネジメントに限らず、自らに課せられた仕事それ自体が、すべて他人事に終始してしまうことは必定である。
 一方で管理職の仕事に正解がないとするならば、常に正解を求めたがる風潮が蔓延している結果、「管理職になりたくない」との反応は至極当然なことにも思えてくる。

 業種業態の違いにより管理職の仕事の内容は異なってくる。また、担当する部門や部署によっても異なる。従って管理職の仕事の定義は、一様ではない。しかし、どのような定義がなされようが、管理職に付きまとう責任だけは明確である。
 それは、“与えられた経営資源を最大限に活用し、部門目標(予算)を達成(利益の確保)する”ということだ。もちろん、この責任は単に管理職に限ったことではなく、企業組織に属するすべての者に軽重はあるが相応に課せられている。
 この管理職の責任を全うしていくためには、以下の仕事(役割)を果たすことが求められる。
1.仕事の管理
2.仕事の改善
3.人の管理
4.人の育成
5.経営の補佐(経営権の分担行使)
6.部門間の調整
 なかでも、重要なことは自らが置かれた状況に応じて「その人流の管理する」という状況対応だ。

 さらに「管理職が行う状況対応」に必要になってくるのが、以下のような自らの意識性を磨くということだ。
1.会社方針の正しい理解と、それに沿った部門の運営
2.責任感に裏付けられた、積極的な提案の励行
3.努力はもちろん、結果を出すまで満足しない
4.全ての問題を自分の問題としてとらえる当事者意識
5.会社(組織)サイドに立った発言や行動

 管理職に課せられた責任と役割を堅持して行くためには、常に意識した行動が必要となる。意識した行動は新任管理職に限らず一定のキャリアを積んだベテランにとっても同様だ。ベテランと自己意識する管理職が往々に陥るのが、勝手な「現場優先主義」である。
 現場の思考は重要だが、常に現場の状況を最優先して、経営視点と現場を対立させてはならない。管理職の職責とは、あくまでも経営権の分担行使者として、経営サイドでの立場・観点・方法で経営の具現者としての立ち振る舞うということだ。

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