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週刊Neue Fahne

2013年07月01日号

「仕事を抱え込む」上司や管理職は会社組織に罪をなす「困った人」

「自分がいなければ会社の仕事は回らない…」と周囲に思わせたいという意図なのか、部下や同僚に一切仕事を任せず、何もかも自分で仕事を「抱え込む」管理職がいる。こうした管理職は基本的に自己中心的なナルシストタイプに他ならず、会社組織に害をなす存在になる危険性がある。
 同時に自己中心的であるが故に、決して「会社のため」であるとか、使命感を持っているわけではない場合がほとんどだ。悪くいえば「仕事を抱え込む」とは、「仕事を私物化している」と見ることもできる

 こうした者の深層心理には「自分がいなくては」「自分だけが忙しい」「他の奴らはアテにできない」との思いがあるのかもしれない。確かに、管理職に限らず会社組織の一員として働くうえでの姿勢は、「自分がいなければ…」との自負心を持つことは大切だ。一方で「自分がいなくなったとしても変わりは、必ずあらわれるものだ」という姿勢も必要ということだ。
 さもなければ何時まで経っても「自分が…、自分が…」という具合に「お山の大将気取り」で終わってしまい、部下・同僚から浮いた存在になることは必然である。特に部門間や部署間の移動が乏しく、ある職種として採用さよほどのことがない限り、採用時の職種に留まるケースが多い中小企業では、こうした「お山の大将」的管理職=ベテラン社員が発生する危険性が大いにある。

 部下・同僚から浮いた存在で終わるだけならばまだしも、こうした管理職は得てして「自分の失敗は部下の責任」「部下の成果は自分の成果」という行為を採る傾向がある。また、他者を含めて組織全体の能力を向上させることを考えず、ひたすら自分の領域(仕事)を守り、他者からの仕事の干渉を恐れるからである。
 さらに時には他者を排除する行動に出はじめたりするからたちが悪い。結果的には、組織全体のモチベーションを知らず知らずに下げる元凶にもなってしまうものだ。
 このタイプの管理職の行動パターンは、結局のところ「部下の能力への妬み、部下の存在への恐怖感」に起因している場合が多い。なかには露骨に部下に仕事を教えたり、仕事を振り分けることもせず「アイツは仕事が出来ない」と平然と発言したりする管理職もいる。
 こうした管理職の素行は自分の存在価値をつくるため、つまり保身のために自分で仕事を抱え込む悪質なケースだ。もちろん、こうした行為は時には周りから「仕事がデキる」と思われていても場合もある。しかし早晩、周囲からうとまれる結果になる。

 自分中心で「自分がいなければ仕事は回らない」と思い込んで、仕事を抱え込んでしまう者が、仮にしばらくの間不在にしていても組織は回るものだ。そのことを自覚しているから「仕事を抱え込む」者は、得てして休まず毎日遅くまで会社に居残ったりする。
 経営者の役割を除けば、どんな優秀な者であったとしても組織として動くのであり、誰か一人の肩に全てがかかっている訳ではない。会社組織での仕事とは、あくまで複数の人間が共通の目標に向かって進める協働であることを忘れてはならない。

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