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週刊Neue Fahne

2014年09月01日号

管理職自身の「仕事への充実感」と「実践で習得する能力」が部下指導の源泉

 管理職は部下が自分から進んで仕事に取り組めるようにするため、適時明確な方針を示さなければならない。管理職はその前提としてまず、自らの仕事に充実感を持つ必要がある。
 自らが充実した仕事を展開していくためには、常に以下の点が成されているか否かを意識的に自問自答していなければならない。
1.仕事の意味づけの明確化にされているか
2.仕事を通した達成感を持っているか
3.仕事を取り組む上での自己決定感は充足しているか
4.仕事に向けて自己高揚感が保持されているか

 管理職自身が仕事の意味づけを部下に明確に示していなければ、決して部下を動かすことはできない。管理職自身に達成感がなければ、当然のことながら部下が有する個々の能力を見極めることもできない。
 さらには自己決定感を保持した管理職から発せられる指示がなければ、部下は管理職に信頼感を持つことはできなくなる。そして、周囲に対して自らの仕事を誇れる管理職の姿勢を眺めることの繰り返しで、部下も自らの高揚感を共有することができる。
 管理職はこれら自らの仕事姿勢を前提にしながら部下に対して計画的、段階的に仕事を任せていくことで、部下の仕事に対する取組み姿勢を高めていくことができる。

 もちろん、管理職の行う部下指導は自分の価値観を一方的に押し付けることではない。まして、単なる精神論を振りかざして部下に無理のある仕事を任せ、「いま現在できない部下」と、「できた自分」を比較して「最近の若い連中は…」などと愚痴ることで悦に入るのは愚行以外の何物でもない。
 しかし、失敗のリスクを恐れて部下に仕事を任せない管理職は、部下から「成長の芽」を摘む結果になることを忘れてはならない。管理職は部下に仕事を任せる段階では「失敗のリスクを自分が負う」という覚悟も必要になる。
 管理職が部下に仕事を任せる行為は、とりもなおさず管理職自身の能力を高めることに直結する。

 ドラッカーが多くの著書の中で強調していることだが、管理職に求められる能力とは、単なる聡明さ、勤勉さ、博識さなどの能力ではない。仮にこの種の能力がいくら備わっていたとしても“成果を上げる能力”が欠落していたならば意味がない。
 そして“成果を上げる能力”は机上で形成されるものではなく、あくまでも実践的な能力の集積である。従って、実践を通した習慣によって仕事に必要な「能力」は習得することができる。
「能力」が備わっていない管理職による部下指導は絵空事となる。むしろ、害になることさえある。従って、管理職はそれぞれの状況において自らの強みを発揮し、体系的な時間管理と仕事への優先順位づけ、成果に向けての段取りづけという「仕事の習慣によって形成される能力」を磨かなければならない。
 管理職にとって部下の育成は「部下の問題」ではなく、自らの能力形成と同意語であるということだ。

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