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週刊Neue Fahne

2015年06月29日号

部下に影響を与えている管理職のマネジメント姿勢

 人間は過去の自分の経験に規定されてしまうものだ。これは単に自分自身の成長体験に規定されるという意味だけではい。たとえば職場においては、かつての上司から教わった事柄も今の自分の行動を規定することになる。そして、いしつかかつて上司から教わった手法を自分の部下に対しても施すことになる。
 つまり、過去の自分の上司をモデルにして仕事やマネジメントを行う傾向が強いということだ。しかし、今日ではこの種の“かつての上司のやり方”は通用しない。経済成長期で通用していた手法は、過去のモデルに過ぎないということだ。

 過去のやり方を模倣しても今の職場には通用しない。まして、かつての自分のやり方を部下に強要するのは愚行でさえある。ところで、“人間は自分がかつて管理されていた方法で他者を管理する傾向が強い”といわれている。自分が管理職として組織を統制する場合には、以前の自分の上司が行ったとおりの手法を用いる傾向が強いということだ。
 社会全体が成長期にあり会社の業績も右肩上がりの時代には、上司が行ったやり方を模倣することが通用した場合もある。しかし、自分がかつて管理されていた当時と、今の職場とでは環境がまったく違うのは当然のことだ。確かにマネジメント業務においては、安定期において自分が教わった先輩上司が自分のロールモデルとして機能した。
 
 しかし、今日管理職に求められるのは、“自分の既成の枠組みや固定観念から、一刻も早く抜け出さなければならない”ということだ。組織の変革を担う管理職は、まず管理者が自ら率先して過去の手法からの脱却が必要ということでもある。今日の管理者は、今までとは違った立場・観点・方法やものの見方、考え方で“自分の行動を見直す必要がある”ということでもある。同時に組織も見直しながら、自分の担当や状況にもっとも適した管理方法を自ら構築する必要がある。
 管理職が日々のマネジメント業務の中で、過去に囚われない意識を持って改革を図っていかなければ、会社組織の未来は危うくなる。
 
 何故ならば、現在の自分の管理者としてのやり方が、やがて部下が管理者となったときのモデルになる可能性が強いからだ。仮に自分が部下に対してかつての上司のやり方を単純に踏襲しているようであれば、踏襲することが主眼になり、必ず部下は自ら変革の努力もしなくなる。そして、部下は将来の自分の部下に同じことを繰り返す。
 この結果、いつしこの連鎖が常態化して会社は、時代が必要とする変化から取り残されることになる。今日の管理職は、自分の管理職としての取り組みが、“自分で想像する以上に部下に影響を与えているものである”ということを意識しなければならない。新たな組織づくりに取り組むことを怠ったならば組織陳腐な過去の繰り返しに終始することになる。

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