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週刊Neue Fahne

2016年02月15日号

部下に仕事を任せることは管理職の育成行為である

 新入社員の迎え入れや他部門からの移動の時期になってきた。この時期に管理職が注意しなければならないことは、部下に仕事を任せる段階で「何を」「どこまで」任せるのかを明確にすることである。部下に仕事を任せるとは、単に過不足なく仕事を振り当てるということではない。仕事を「任せる」行為それ自体が管理職の行う部下育成の重要な要素であり、管理職の職務の一つである。
 しかし、たとえ任せたとしても、結果に対する責任は任せた管理職自身が負わなければならない。これが会社という組織での管理職の行う職務の原則である。つまり、管理職が責任を持って部下に仕事を任せるということだ。部下に仕事を任すことができない管理職は、単なるプレイヤーに過ぎない。

 管理職が部下に仕事を任せるということは、単に自らの業務を分散させて自分が気楽になることでもなければ、自分の仕事を軽減させるということではない。ところで、周囲から仕事ができると評価される管理職の中には部下に仕事を任すことができない者がいる。こうした管理職はマネジメント意識が欠如していることになる。
 マネジメントとは単に部下をコントルールすることではなく、組織を構成するあらゆる資源を動員して成果を出することである。とりわけヒトのマネジメントにおいては、如何にして協働意欲を醸成していくかにかかっているからだ。従って、管理職にとっては極めて勇気のいることでもある。

 管理職が部下に仕事を任せる場合には、任せる範囲と当時に「いつまでに」という期限を示す必要がある。任せた後にある日「あれはどうなっている…」などと思いだしたよう部下に質問するようでは部下の育成にはつながらない。管理職は仕事を任せる段階でGOALを明確に示し、定期的に報告をさせる癖を部下につけさせていく必要がある。そして部下が中間報告を怠ったり、忘れたりした場合には、適宜適切な催促を繰り返していかなければならない。つまり、任せきりにするのではなく任せた部下のスケジュール管理を管理職が行うということだ。
「任せた以上は、黙って結果を見ている」というのは、一見すると部下を信頼している行為に映る。しかし、これは部下への信頼ではなく単なる管理職の怠慢行為に過ぎない。もちろん、箸の上げ下げまで注意を払う必要はないが、任せた仕事に対して適宜適切に部下からの報告を求め、必要な指示を行うことは管理職の役割である。管理職は日常的に部下の仕事ぶりに注意を払うことが部下育成に直接的につながる。仕事を任すことは「放任」ではない。

 管理職が部下との信頼を築くためには、管理職が部下に対して恒常的に進捗の報告を求め、部下から寄せられる相談に対して対処する相互関係が形成されなければならない。この相互関係を形成していくことで、部下は仕事を覚えることができ新たな役割を果たしていくことができるようにもなる。
 管理職と部下との相互関係が形成されなければ、部下に対して仕事を永遠に任すことはできないため、部下に協働意欲を醸成することもできない。このため、部下のもたらした結果に対して管理職は責任を持つこともできなくなる。

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