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週刊Neue Fahne

2016年04月25日号

不平・不満を抱かない部下の存在は管理職にとって赤信号

 管理職に対して不平・不満を抱かない部下はいないものだ。部下は自分に対する評価をはじめ管理職の仕事の進め方に対して、さまざまな不平や不満を持っている。特に管理職は部下が抱く評価に対する不平・不満に敏感である必要がある。同時に自分自身の部下への評価に対して謙虚に内省する必要がある。
 評価にあたって管理職は自分の部下に対する評価が“情意や周囲の評判に左右されたものではない”という確信の有無だ。この確信が持てない管理職は自らの役割を果たしていないということになる。一方で管理職は仕事に関して部下が抱く不平・不満について一喜一憂する必要はない。もし、管理職が部下に対して遠慮しながら仕事の指示・命令を発するならば、職場のガバナンスは崩壊する。

 部下が仕事に対する指示・命令や展開方法に関して、自分なりの意見を持って具申してくるのであれば十分に聴く耳を持たなければならない。そのうえで、部下との意見が食い違っていると感じたなならば、部下との間でコンセンサスをとり納得させていく必要がある。このコンセンサスづくりに躊躇してはならない。部下にとって納得できない仕事は、単なる「やらされ仕事」になるからだ。
 管理職の側が「部下は黙っていわれたことをやっていればよい…」などという意識でいるならば、部下の創意性を育むことはできない。それどころか、いつまで経っても部下に仕事に対する責任意識を醸成させることもできない。
 自分の仕事を納得しながら遂行している部下、つまり自分の頭を使っている部下にとっては、一方的な指示・命令を繰り返すのみのワンマン的上席者の存在ほど目障りなものはない。逆に仕事に対する取り組み姿勢が弱い部下にとっては、ワンマン的上席者の存在ほどありがたく思うものだ。なぜならば、ワンマン的上席者のいうことだけに従っていれば、後先を考えることなく“いわれたからやっている”という姿勢を繰り返すことで済むからだ。こうした部下の存在は、上席者を知らず知らずに“裸の王様”化させる。

 力量不足の管理職に限って自分の指示・命令に対して疑問や、時として反発をする部下を疎んじるものだ。そして「扱いにくい部下」との思いを抱くことになる。逆に自分の指示・命令を唯々諾々とこなす部下の存在は、忠実に任務遂行に励んでいる“使いやすい部下”として満足しがちになる。不平・不満を抱かない部下の存在が扱いやすと映るからだ。しかし、管理職にとってこの、“使いやすい部下”への満足感は、自らのマネジメント能力の向上を阻むことになる。さらに組織全体を弱体化させる危険性に繋がることを認識する必要がある。なぜならこの種の部下は自分の意見や考えを持たず、単に「上からいわれたから…」という逃げ道を用意するからだ。
 特にこの種の部下が組織の中間層に蔓延するならば、組織体のガバナンスは崩壊し、何時しか無能な集団と化していくことになる。管理職にとって自らの指示・命令に対する不平・不満を公明正大に開示する部下の存在を自らのマネジメント能力の糧にする度量が必要だ。

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