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週刊Neue Fahne

2016年06月27日号

マネジメントの鉄則は部下に自分の頭で考えさせること

 管理職は職場のマネジメント実践において“正解は一つに限られるものではない”ということを肝に銘じる必要がある。同時に部下に対しては“仕事ではいくつもの答えが考えられるため自分の頭で考え最適性を追求しなければならない”と強調する必要がある。これは突き詰めるならば、部下に物事を主体的に考える癖を持たせることでもある。従って、管理職自身も自ら主体的に考えて行動する模範とならなければならない。

 部下の側にはどうして“正解は上司が知っているのだから上司の指示を仰ぐことで仕事は早く回る”という思いが先行する。これは「答えは教えてもらうもの」という思い込みが刷り込まれているからでもある。特に若手社員は早く簡単に正解を欲する傾向が強い。そして、上司の出した答えや指示通りに行動することで満足するものだ。この行動の繰り返しにより、結果的に何時まで経っても「いわれた通りに働く」こと以上のことができなくなってしまう。つまり“指示を待ち、指示通りに行動する”という業務スタイルになる。
 部下にとってみれば上司からの指示は絶対である。極端にいえば上司が「〇〇をしなさい」と指示したならば、「はい」としか応えようがない。これは、上司の指示が「業務命令」であると理解しているからでもある。

 これは組織におけるある種の力関係である。ところが、この職位に根付いた“暗黙の力関係”を自らの権威と勘違いする管理職がいる。こうした管理職は部下に対して一方的に「これはこうするものだ」と結論を先取りして指示のみを行うことに疑いを持つこともなくなる。そして次第に部下が自分の指示通りに動くことに心地よさを感じはじめ、指示通りに動かない部下を疎んじはじめることになる。この結果、職場は「指示通りに動く部下」と「指示を待つ部下」の従順な者達で構成されることになる。
“勘違い管理職と指示待ち部下”で構成された組織は、表面的には管理職の命令一下で一丸に行動しているように見えるが、実は誰も何も考えていない集団になる可能性がある。何故ならば管理職も自分の指示・命令に対して、内省を怠り自らの経験則を相対的に捉えることができなくなり、経験主義に陥るからだ。

 管理職が部下に教えなければならないのは、単なる自分の経験則ではない。また、経験則に基づいた自分基準による答えを教えることでもない。必要なのは、常に部下に対して「それでは、どうしたらよいのか?」「なぜ、そのようになるのか?」という問いかけを発することだ。そして、部下自身に考えさせることである。
 もちろん、部下が考えて出す答えの大半は稚拙で未熟な事柄かもしれない。それでも、「なぜ」を常に考えさせる。そして、部下が出した答えを実践させることだ。それによって、部下が自分からの業務遂行上の課題解決の可能性に初めて気づくこともできる。この可能性に目覚めた部下は、仕事の面白さや醍醐味を知り、自分から行動していくのである。

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