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週刊Neue Fahne

2016年09月26日号

部下に「仕事を任せる」とは、管理職の部下指導である

 管理職は部下に仕事を任せる場合には、「何を」「どこまで」任せるのかを明確にしなければならない。当然のことながら任せた以上、その結果に対する責任は、任せた側である管理職が負わなければならない。これが会社という組織の原則である。この道理をわきまえずに部下に仕事を「丸投げ」した挙句に結果責任を取らない管理職は、部下からもっとも唾棄される存在になる。

 従って、管理職は部下に仕事を任せるということを安易に考えてはならない。また、“決して気楽なことではない”という自覚を持つも必要がある。任される部下の側も任された事柄が不明確であれば、安心して力を発揮することはできない。
 部下に仕事を任せるとは、単に仕事を「振り当てる」ことでもない。仮に作業指示を出す場合においても、作業の意味を明確に説明し、「何のため」の作業であるかを具体的に提示する必要がある。部下に対して仕事の意味づけを行わずに指示のみを繰り返すならば、部下は“指示しなければ動かない”という状態に陥るものだ。

 管理職が部下の成長を期待して仕事を任せるためには、“仕事の意味づけ”を明確に理解させるという前提が成り立っていなければならない。これが不十分であるならば、部下にとって「上からの指示で与えられた仕事」という意識を抜け出すことが出来ない。“仕事の意味づけ”を理解させるために管理職は、部下に対して任せる仕事の前後工程をしっかりと説明して重要性を強調し、与えられた仕事の結果をイメージさせなければならない。
 また、管理職にとって部下に仕事を任せるとは、部下に自ら仕事の優先順位を考えさせていくという指導の一環である。仕事を任せる場合には、任せる範囲と期限を明確に示して中間報告を義務付ける必要がある。

 管理職は「任せた以上は、黙っている」という姿勢をとってはならない。つまり、“部下に仕事を与えてから結果報告が上がってくるのを待つ”という姿勢をとってはならないということだ。こうした管理職の行為は部下を「放置」する行為と同じである。
 あくまでも部下に仕事を任せるとは、管理職にとって部下指導である。まして、結果に対する責任を負うのは部下ではなく管理職だ。責任の所在に対して無頓着である管理職に限って、「部下からの相談がないので順調であろう」などと解釈してしまうものだ。管理職は任された仕事に対して相談や進捗報告をしてこない部下に対して不安を持たなければならない。むしろ管理職には「相談がないことは危険な兆候である」という猜疑心がなければ部下の成長に責任を持つことにはならない。

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