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週刊Neue Fahne

2017年11月06日号

現場マネジメントの課題 -8- 再雇用者に対して明確な役割を持たせる

「高年齢者雇用安定法」の改正により「本人が再雇用を希望すれば、企業は再雇用条件を提示する」ことが必須となって久しい。このため、多くの職場ではかつて上司であった者が自分の部下として働くというケースが増えている。
 現場マネジメントはこうした状況を踏まえて、「定年後の従業員をどのように活用すべきか」という課題を真剣に捉える必要性がある。何故なら高齢者雇用は単に定年の延長ではないからだ。もし「モチベーションの低い再雇用者」を放置するならば、現役世代のモチベーションが減退し、組織全体に「ぶら下がり意識」が蔓延してしまうことになる

 再雇用者の活用で第一に留意しなければならないことは、退職時期に至る前から明確に再雇用の段階で自らの役割認知をしっかりと持ってもらうことだ。決して自動的に「働き続けることができる…」という意識ではなく、再雇用後の自らの働き方、果たすべき役割と目標設定をしっかりとイメージしてもらわなければならない。また、現場マネジメントの側が再雇用後の職務内容を本人と相互確認をすることも重要となる。現場マネジメントは、再雇用者に対して「何を求めるのか」「何を期待するのか」「何を目的とし、どのような目標設定をしてもらいたいか」という点を明示化していかなければならない

「今まで通りの仕事をしてもらう」という安易な姿勢で、以前と同様の役割や職務を与えるならば、本人のモチベーションも下がるのみならず、後進のモチベーションも下がることになる。そして何よりも後進が育たない。仮に再雇用社員に対して従前と同様の業務の遂行をしてもらうにしても、その業務の遂行の目的は、あくまでも培ってきた業務上での技術やノウハウの次世代への移植のためであるという点を常に自覚してもらう必要がある。このために再雇用者に対して、例えば具体的な後進指導の対象を明記し、どのような職務経験を伝授していくのかという点などについてしっかりと確認しておく必要もある。

 つまり、単に「65歳まで働ける」という意識から脱却してもらう必要があるということだ。
「居てもらうからには今まで通りに働いてもらう」式に単純な労働力として捉えてはならない。この種の対応をとっているならば、高齢者雇用者の間に「自分は一旦定年になっているので、役職者としての責任があるわけではない。昔からの手慣れたやり方で適当に仕事をこなしていればよい…」という意識が生まれる危険性もある。 さらには、自分の役割が変化していることに気づかず、いつまでも「上司面」をして職場を跋扈する者を生み出すことにもなる。この種の行為は若手や中堅の従業員にするならば、迷惑千万で唾棄の対象にしかならない。この結果、組織内に不要な「世代間バトル」を生み出し、職場全体の活性化を削ぐことにもつながる。

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