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週刊Neue Fahne

2018年05月28日号

管理職は部下に振り回されてはならない

 毎年のことだがこの時期になると「あきれた新人」の武勇伝話にこと絶たない。「今年の新入社員の傾向」などは週刊誌的な歳時企画のようになっている。同時にこの種の新人に振り回され苦労する上司の悲喜劇も居酒屋談義の風物詩のようでもある。一般社員の間で世代間での認識の差異を嗤いあうのは理解でかる。
 なぜならば、一般社員間には指導する側とされる側の認識が希薄だからだ。ただし、この種の「あきれた新人」諸君に振り回されるマネジメント層は、自らのマネジメント力不足を自己暴露することになることを忘れてはならない。マネジメント層による「あきれた新人」の所業に対する批判は、新人に対する過度な期待の裏返しであるからだ。

 新人を迎えた現場マネジメントは「あきれた新人」の所作にことさら一喜一憂する必要もない。「あきれた新人」に対して現場のマネジメント層は“そもそも新人が物事や仕事の常識を知らないのは当然である”というスタンスを取らなければならない。そのうえで彼ら彼女らに“仕事の優先順位は自分の好き嫌いで決めるものではなく、上司の判断を受けて決めることである”という不文律を徹底的に教えなければならない。
 さらに物事の背景や仕事の意味をしっかりと説明して、仕事の流れを理解させることに注力を注ぐ必要がある。なぜならならば、「あきれた新人」の所作の殆どは、知らない、教わっていないということに起因しているからだ。

 企業は組織の論理で動いている。組織の論理とは、構成するメンバーによる「共通の目的」に基づいて、上司が部下を動かし、成果を挙げることである。つまり、部下とは、まずは「指示され、動かされる存在」である。だが、「あきれた新人」の大半は、この道理を理解していない。このため、仕事の流れや優先順位を理解することなく、自分勝手なやり方を繰り返してしまう。
 現場マネジメントは新人に対して、“企業での組織活動で求められることは、上司の要求を自分自身で咀嚼して期待される行動できることである”ということを意識づけさせなければならない。同時に常に新人よりも一段高い視点に立って、仕事の優先順位や価値を判断していることを示していかなければならない。決して、新人と同一地平に立ってはならない。

「あきれた新人」は基本的に上司の指示がきちんと守れないのではなく、そもそも指示されていることの意味を理解できていない場合がある。これが現象的には「自分勝手に解釈し、指示を守らない」ということになる。従って、現場マネジメントは指示を出す前に指示の背景も含めて説明することが鉄則である。
 現場でマネジメントに携わる者は“新人に限らず部下は上司が考えているほどには、指示の背景を理解できていない”という現実を理解する必要がある。この現実を理解できない現場マネジメントはいつまでたっても部下に振り回される存在に甘んじなければならない。

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