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週刊Neue Fahne

2018年06月18日号

“部下への仕事の与え方”を工夫するのが管理職

 管理職は常に自分の置かれている状況を徹底的に見つめて、“今自分に何が求められているのか”を自問自答しながら果たすべき役割を明確にしなければならない。そのうえで自らに必要な知識・能力を磨くため不断の努力を惜しんではならない。努力の前提は、自分自身を客観的に見つめることである。
 ただし、独り相撲を取る必要はない。自分の長所、短所を客観的に把握することは非常に難しい。他者からの指摘や批判を素直に受け入れ、自分で反芻を繰り返して「役割認知」を深めていかなければならない。時には部下への「下問を厭わず」という姿勢が必要だ。これは部下に“おもねる”という意味ではない。自分自身の行動を点検するということでもある。

 業務遂行能力に長けた管理職は、ともすると部下の仕事ぶりを“頼りない”と見えるものだ。この思いが強くなれば結果的に管理職が部下の仕事まで抱え込み、仕舞には部下の仕事を取ってしまうことになる。こうした管理職に限って、ともすると周囲から「仕事が出来る」との評価を受けるものだ。しかし、管理職にとって重要なことは、仕事が出来ることを誇示することではない。
 極端にいえば管理職は、「仕事が出来る優秀さ」を示すことではなく、「仕事が出来る優秀な部下」を創り出すことである。「仕事が出来る」と自他ともに認識している管理職のもとでは、逆に部下が育たない場合もある。何故ならば、こうした管理職のもとで部下は、上司を頼り切ることに慣れ、徐々に成長意欲を減退させるからだ。

 業務遂行能力に優れた管理職は、部下に“仕事を任せられない”という傾向に陥る危険性を自覚する必要がある。管理職が部下の仕事ぶりに対し、往々にして「どうしてこんなに時間がかかるのか」とか「なぜもっとうまくできないのか」とイラつきを感じてしまうことがある。そして結局は「自分がやった方が早いし、良い結果になる」という思いになり、部下の仕事を奪い自分で仕事を抱え込むという悪循環になる。
 一方、部下も「最終的には上司がやってくれる」との思いが強く、仕事の成果に対して固執しなくなる。このため、達成感を味わうことなく単純な作業に終始することになる。つまり、枝葉の仕事、部分的な業務を“自らの仕事である”と思い込むようになる。

 部下に“仕事を任せられない”管理職に就いた部下は、第一にモチベーションを減退させる。第二にいつまでも仕事の能力アップを図れない。部下の業務遂行能力は「現状の能力を少し超えた課題を達成するという階段」を登っていくこと蓄積される。部下にとっては、上司から見ればやさしい仕事と思われる内容も“難しい仕事”と考えるのは当然である。
 管理職は自分の経験や蓄積の結果として“出来るようになっている自分の現状”から出発して、“部下の仕事の出来なさ”を判断してはならない。管理職は“仕事が出来ていない部下”のレベルを前提にして、部下の業務遂行能力を段階的に高めさせるため、仕事を与える方や指示の出し方を工夫しなければならない。

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