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週刊Neue Fahne

2018年09月17日号

管理職にとっての権威(パワー)

 管理職(上司)が部下に対して指示・命令を発する場合に注意しなければならないことがある。それは、“指示・命令を出す側の権威(パワー)のあるなしで、指示・命令の貫徹度合が決まる”ということだ。組織において“ある上司の命令には従うが、別な上司の命令には従わない”という部下が存在する。もちろん、部下は組織で働く上でどのような上司からの指示・命令に対しても従わなければならない。
 一般的に部下は上司を選ぶことはできない。しかし、往々にして“従いたくない”と思う上司に対しては、表面的に従うふり、動くふりをして取り繕うものだ。つまり、権威(パワー)のない上司の指示・命令については、「やり過ごす」(実質的サボタージュ)という知恵を働かせて消極的な抵抗を行うのが常だ。
 
 こうした部下の存在に対して権威(パワー)のない上司は、「(会社の、本社の、上役の)方針・指示だから、やれ!」という具合に一方的な業務命令を発することになる。しかし、こうした上司の存在は部下から見て正に権威(パワー)なき「虎の威を借る狐」の存在に過ぎない。部下は上司の寄って立つ権威(パワー)の源泉を実に明確にしかも瞬時に見抜ものである。
 新入社員の早期退職が話題になっているが、早期退職の理由を彼ら彼女らだけの問題に帰結させることはできない。本来、彼ら彼女を指導する側の上司・先輩の側の権威(パワー)のない諸行動にも原因の一端が潜んでいることを忘れてはならない。権威(パワー)とは、言い方を変えるならば信頼感と安定感の問題でもある。

 上司が部下を動かすために発する指示・命令は、呼称としての役職や地位に頼った擬似的権威(パワー)だけでは意味がない。また、今日では上司の過去の経験則も権威(パワー)を裏付けるものにはならない。大切なことは「精神的な権威(パワー)」の有無である。
 これは、“部下に好かれること”でもなければ、“ものわかりの良い上司になること”でもない。さらに単純に部下の行動を“褒める”ことでもなければ、“メンター役に終始すること”でもない。まして、部下の諸行動に対して“ものわかりよく接すること”でもない。むしろ多少乱暴にいえば信頼感に裏打ちされた“部下に恐れられる”存在としての立ち振る舞いだ。

“部下に恐れられる”とは物理的かつ利益誘導的な権威(パワー)を発動するということではない。さまざまな状況対応において、上司の側に冷厳な“判断基軸”が存在しているということである。“判断基軸”を持たない上司は得てして部下に対して職務上の地位や上司という優位性を背景に、業務の適正な範囲を超えた精神的・身体的苦痛を与え、結果的に職場環境を悪化させることになる。つまり、明確な“判断基軸”なき部下指導は、パワーハラスメントの温床にさえなるということだ。
 今日、パワーハラスメント行為として指弾される事柄の多くは、上司の権威(パワー)無き立ち振る舞いに起因するケースが実に多い。しかも、この点に対して多くの上司は無自覚にして無警戒だ。上司は部下に対する的確な指示・命令と自らの一貫性のある行動を基本として、結果に対して明確な判断と公正な評価を下せる存在でなければならない。

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