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週刊Neue Fahne

2019年06月17日号

OJT担当者の心得 −9− 固定観念を払拭させ柔軟な発想を醸成する

誰しも自分の行動を規制してしまう観念を持っている。これは心の中にこり固まっていて、他人の意見や周りの状況によって変化せず、行動を規定する意識である。心理学では「固定観念」という。また、ある考え方に執着してしまい、合理的な判断をすることなく、ある事柄を固く真実だと信じてしまうという「思い込み」に陥る危険性がある。
 特に大きな成功を収めた場合等の「成功体験」が固定観念となる。しかし、固定観念は単なる自己体験ばかりではなく、世の中の「空気感」によっても形成される。従って、単純に年齢に関わりなく、若手・新人でもある種の固定観念に支配された考え方で行動する場合がある。
 
  固定観念に陥ると第三者から見て明らかな誤りや非常識行動、不自然でおかしいと思えるような状態でも、その考えを訂正できなくなるものだ。しまいにはどんなな説明や説得にも、間違いや非常識行動を訂正できなくなる。一言でいえば偏狭で多様性とはかけ離れた思考に陥ることになる。
「固定観念」にしろ「思い込み」にしろ、ビジネスや仕事の展開では、これほど危険なものはない。「絶対にこうである」という考え方が頭から離れないものとなる。そして、自分自身の考え方を拘束しり、行動をも規定したりすることになる。その結果、広い視野で見たり考えたりすることができず、一度定められた考え方や、それを元にした型にはまった行動から離れられなくなるからだ。

  若手・新人がこうした「固定観念」に取りつかれていると、大きな変化時代にあって仕事を順調に進めていくことはできない。「固定観念」や「思い込みは」は、成功者に限ったことではない。特に若手・新人に対しては「固定観念」が日常業務のなかで日々発生する危険性があることを自覚してもらう必要がある。
  何故なら「固定観念」はビジネスにおいて以下の弊害を生み出すからだ。
・他部門に配慮せず常に自部門の利益ばかりを優先しはじめて全体を見る目がなくなる。
・前例や慣習、これまでの経験を引き合いにだし、仕事の進め方に革新を起こさない。
・本質的なコスト改善や業務の合理化を考えずに、手っ取り早い方法として、協力会社や業務委託会社への一方的な酷使で埋め合わせを実行し、これまでの関係を悪化させる。
・自分自身の能力向上に向けた努力をせず、「見せかけの勤勉」を装うため、無意味な残業に終始しはじめる。

「固定観念」は、結果的に若手・新人の可能性の幅を狭めることになる。そして能力の高い同僚の存在や働きを正しく評価できず、むしろ彼らの努力や取り組みを茶化すなど、士気を低下させるような言動・行為をとり始める。その末路は平々凡々とした「組織へのぶら下がり」や「指示されたことしかやらない、できない」という仕事スタイルだ。そこで、若手・新人に対し「仕事において万古不易」はないことを認識させ、自分の従来からの考え方の埒外のものを率直に認める柔軟な思考や発想を醸成させていかなければならない。

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