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週刊Neue Fahne

2019年12月23日号

自らをマネジメントして経営感覚を磨く

 仕事に対してやりがいを感じるためには、自分が行っている仕事が全体の中でどのように位置づけにあるのかを認識しているのか否かにかかっている。端的にいえば仕事を自らのミッション、すなわち自分事と位置づけることが欠かせない。人間は自らの役割を認識していなければ「やりがい」など絵空事になる。
  企業組織に属する者にとっては、自らが属している組織の現状(経営情報)を正しく把握できなければ、その全体像も判断することもできず、自らの役割認知も疎かになるものだ。一般的に部下は目先の業務をこなすことを仕事と解釈して「自分の仕事の背景がよくわからない。自分の仕事が全体にどのように位置づけられているのか実感できない」という不安を持っている。

 上司も同様である。自らの仕事に対して組織全体の中での位置づけに無頓着な管理職は、目先の作業レベルの事柄をあたかも仕事であるかのように錯覚を起こすことになる。この種の上司の下では部下が自分の行う仕事の部署内での位置づけ、組織全体における位置づけ、さらには将来における企業組織の位置づけなどに思いを巡らすことなどしなくなる。いや、しなくなるのではなく、そもそもこの種の発想すら形成されない。
 自らが行っている仕事の位置づけができない部下は、当然ながら上司以上に企業の抱えている経営課題に対しても無頓着になり、単純な雇用条件のみの差異で企業間を渡り歩くことになる。この種の転職行為はまさにキャリアの横歩きであり、決してキャリアパスにはならない。

  最近では人手不足の中での部下の転職に戦々恐々としている上司が増えてきている。しかし、部下のすべてが単純な雇用条件の差異にだけ興味がある者とは限らない。仕事を自分の将来との関係において捉えて、「いまの仕事が全体の中でどのように位置づけられているのか、そして自己の成長とさせてくれるのか」と思考する者もいる。
  この種の部下に対して、自らの仕事の位置づけが不明瞭な上司ほど頼りがいのない存在と映るものだ。こうした上司に対して部下は見切りをつけ始めることになる。上司が自らの仕事の位置づけを明確に自覚していくためには何が必要なのか。それは一言でいえば自分自身が当事者意識をもって経営感覚を磨くということである。当事者意識を堅持できない上司は自らの役割に対して責任ある行動をとることができず、部下を指導することなどできるはずもない。

  経営感覚は日常業務の延長線上では身につけることはできない。そこで非日常的な自らの意識的行動が重要になる。日常的に「時代の変化を捉える」という問題意識を堅持し、広い視野と柔軟な思考に資する情報を収集して感覚を研いでいくことが欠かせない。
 経営感覚を磨くとは“自からをマネジメント”しながら、貢献できる場所に身を置き、自分自身を成長させていかなければならないということだ。部下に対しても外部環境への変化を恐れず、敏感に変化を受け入れる意識を醸成させていかなければならない。管理職は、常に自己の働き方や仕事のやり方を見直すだけではなく、現状維持バイアスに陥ることなく、“前例に囚われることのない自らの実践”を部下に示していかなければならない。

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