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週刊Neue Fahne

2012年04月09日号

ビジネス社会で「責任をとる」という意味

 日本では悪い結果が発生した場合に責任者が職や地位を辞任することで「責任をとる」という風習がある。これは武士が切腹して責任を取る方法に由来しているともいわれている。こうした風習はビジネスの世界でも潔い責任のとり方であるかの誤解がある。しかも一旦責任を取って職を辞した者が、いつしか復帰するケースも度々見られる茶番も発生する。しかし、仕事で発生した失敗やミスという結果への責任のとり方とは、「仕事を通した失敗やミスの挽回」以外にはない。

 仕事上での責任には大きく分けて「経過責任」と「結果責任」の二種類だ。経過責任では、仕事を行っていく過程で発生するさまざまな問題に対して、自分が果たすべき役割を果たしているか否かが問われる。
 結果責任では、経過に対する責任は果たしているが、最終的な結果に対して自分に帰すべき責任の有無が問われる。
仕事を行っていく上で往々に陥りがちなのが自らに「経過責任」がないという点を強調して、結果に対する責任に無頓着となる傾向だ。たとえば、仕事の上で協力先とのリレーションが悪く、お客様への納期に間に合わないという事態が生じたとする。こうした事態が発生した場合の対処の仕方で「責任」に対する捉え方で違いが発生する。
 1.自分は協力先の担当者に対して、納期の段取りをしっかりと伝え、役割分担を確認し調整もしてあった。しかも、こちら側の非ではなく協力先の責任であることが明確とするための記録もとってある。
 2.自分は十分に協力先の担当者と調整していたつもりだが、お客様への納期を守ることが先決なので、責任の所在は後回しにして納期に間に合わせるためにあらゆる手段を講じる。

「1.のケース」では経過に対する責任は果たしているのである。しかし、あくまで「経過責任」しか果たしていないことになる。一方で「2.のケース」は経過についてはともあれ、お客様への納期が守れない危険性があるという結果に対して、自分が負うべき責任を果たすため、可能な対策を行うという「結果責任」を重視していることになる。
 ビジネスの世界では「結果責任」がすべてといってもいい過ぎではない。「経過責任」ばかりに目が行ってしまうと、「自己保身」となり結果に対して無責任になってしまうものだ。

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