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週刊Neue Fahne

2011年02月07日号

経営者と社員を隔てる「意識の壁」

 仕事に対する考えた方は大きく二つに分類される。一つはビジネス意識(マインド)であり、もう一つはサラリーマン意識(根性)だ。
 ビジネス意識(マインド)を持ったひとの特長は、常にその時々の「結果」を重視するというものだ。他方でサラリーマン意識(根性)を持った人は、常に結果よりも「過程」を重視してしまうということだ。また、「報酬」に対する考え方についても、ビジネス意識とサラリーマン意識では大きな違いが現れる。ビジネス意識を持ったひとは、報酬を「成果の対価」と考える。サラリーマン意識のひとにとって報酬は自分が費やした「労働の対価」と考えてしまうものだ。

 こうした仕事に対する意識の違いが、一つの会社組織の中で凝縮して現れるのが、会社の経営者と社員との関係だ。とりわけ挙手空拳で事業を始め、さまざまなリスクを背負って事業展開を行なうオーナー経営者は、まさにビジネス意識の塊である。一方で社員の側は、日常業務を繰り返しているだけでは、知らず知らずにサラリーマン意識に毒されてしまうということだ。この「意識の溝」は、社員の側が考えている以上に深くなり、いつしか簡単に埋めることはできなくなってしまう危険性がある。

 サラリーマン意識とは何か。一言でいえば、「受け身」の仕事スタイルに終始し、積極的にリスクを取らない姿勢のままで、行動が遅い(鈍い)ということだ。一昔前は年功序列で一定の役職に就いているが、自ら主体的に動かない人びとを組織に安住した「大企業病」に犯されている、と揶揄してきた。しかし、ここでいうサラリーマン意識は、会社の規模を問わず、自ら主体化した働き方に徹するという意識を持たなければ、払拭していくことはできない。中小企業は何かというと大企業との比較されがちだ。しかし、個々の従業員の働く意識においてはさほど差があるものではない。

 中小企業では社員間で職階による意識の差はさほど開いていないが、経営者と社員との間の意識には、天と地ほどの開きがある。そのため、双方の働く意識の違いはむしろ大企業よりもより顕在化してしまう。社員の間にある職階上の意識の区別は、経営者と社員を隔てる「意識の壁」の大きさに比べたら些細なものだ。この意識が危険なのは、経営者以外は自分自身の行動に責任を持たないという組織風土を作り出してしまうことだ。
サラリーマン意識は自らの職責が上昇するに従って解消されていくものではない。不断に「会社組織は自分たちがつくる」という主体的な意識を持ち続ける能動的な行為がなければ、いつまでも払拭されるものではない。

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