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週刊Neue Fahne

2013年01月28日号

“育成の鉄則”は、自らの学習を怠らず常に「正しいこと」を行わせる真摯な姿勢

 新入社員を迎え入れる季節になってきた。この時期になると有り体に行事のように新人教育を消化しようとする企業も多い。毎年相当数の新入社員が入社する会社では、年中行事としてスケジュールをこなしがちになる傾向は否めない。しかし、新人教育は単に集合研修として実施するビジネスマナー等に代表される「型はめ」だけでは決してない。
 むしろ、新人の配属後の現場で実施されるOJTの検証をしっかり実施することが極めて重要だ。この問題は単に毎年定期的に複数の新人が入社してくる会社に限ったことではない。新卒採用・中途採用に限らず不定期採用を実施している会社にも同様のことがいえる。

 職場で実施するOJTとは、とどのつまり先輩(上司)による後輩指導だ。実はこの先輩(上司)が実施するOJTがバラバラに行われる傾向が非常に強い。例えば複数の新人がそれぞれ別の先輩(上司)の指揮下に入ったとしたならば、伸びる新人と伸びない新人に分かれてしまうということが往々にして発生する。その原因のひとつは先輩(上司)の側の能力と姿勢に起因している。
 せっかく配属された新人が現場での先輩(上司)の姿勢に幻滅を抱き、その先輩(上司)を乗り越えるのであれば何も問題はない。問題となるのは配属先の先輩(上司)の悪癖や態度を「学んで」しまう傾向だ。この傾向は得てして新人を迎え入れる先輩(上司)が、得てして自らの経験則でしか後輩に接することしかできないという点にある。

 さすがに今の時代に「俺の若い時は…」などと新人を前にして、自分の武勇伝や自慢話をすることや、「俺のヤルことを黙ってみて覚えろ…」と繰り返すことが後輩指導であると考えているような者はいなくなった。しかし、いま、新人に物事を教える側になっている者達の多くは、自らがこうした指導を前世代から施されてきた側でもある。
 まして、巷間取りざたされる「パワハラ批判」に委縮して、入社した新人に対して当たり障りのない対応で臨む傾向が強い。つまり指導もせずに放置するということだ。その挙句には、「最近の新人は即戦力にはならない…」「採用担当者は何を基準に採用しているのだ…」という不満と愚痴を繰り返してしまう。

 最初から優秀な人材など極々少数の者を除いてそもそも存在などしていない。多くの企業では担当者も現場においても「仮にそうした優秀な人材はいたとしても自社には入社してこない」という割り切りを持つことが必要だ。
 これは何も自社の存在を卑下することでもなく、入社してくる新人を侮ることでもない。会社組織で通用する有用性は、“日常の業務行動を通した学習によって後天的に身に付けさせるものである”からだ。
 思い描く優秀人材を自社に当てはめること、それ自体が愚行であるといっても過言ではない。一般的には相手に何かを教える場合には相手よりも3倍以上の知識が必要だといわれている。そのためには先輩(上司)は、単に経験則の積み重ねで勝負しても意味がない。
 自社にとって有用性がある人材を育てるためには、自らが学習を怠らず常に「正しいこと」を行わせていくという真摯な姿勢が必要ということだ。

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