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週刊Neue Fahne

2013年02月25日号

「責任を負いたくない」という意識は、「先送り」にあらわれる

 誰しも経営環境の変化スピードが非常に早まっているという認識は持っている。企業組織に身を置く者であるならば、耳にタコができるほど聞かされているはずだ。また、現実にこの環境変化のスピードに対応するため、各企業の現場では「朝礼暮改」とも思える方向性の転換が日常的に行われている。
 一方でこの変化対応に最も遅れをとるのが、個々の「意識」であることも事実だ。社会に変化が訪れ、これに即応するため企業が変化し、ある意味で否応なく変化せざるを得ないのがヒトの「意識」だ。企業組織に身を置いて長く当該企業の業務に従事してきた者に限って、「出来ることであるならば、自分のこれまでのスタイルは変えたくない」と思うのは当然の心理でもある。この「変えたくない」という心理が、日常業務においては物事を「先送りする」という現象として表れる。

「先送り」をしてしまう理由にはいくつかあるが、一番典型的なのが「これまでやったことがない」「なぜ、それをやるのが自分でなければならないのか」という具合に“目先のラク”を選択し自分自身が「変わりたくない」という心理を優先するからだ。
 さらには「じっくり取り組む必要があるが、いまは時間が足りないから…」であるとか、「なかなか難しい問題だから…」、「いまは忙しいから…」、「十分な予算がないから…」という「先送りしてやらない理由」は次から次と出てくる。
「やらない理由」をあげつらう人に特徴的なのは、その時に限って実に雄弁になるといことだ。時には「いずれ方向が変わるから…」と舐めてかかって「やり過ごす」という場合もある。当の本人にとって「先送り」をして「やり過ごす」ことが出来るのであれば、それに越したことはないと思うだろう。
 確かに「やり過ごし」は、一昔前であれば通用したかもしれない。しかし、いまや「先送り」の結果を待ち受けているのは、本人はもとより企業組織が世の中から「取り残されていく」という現実だ。

「先送り」とは、突き詰めるならば難問や面倒な業務から自分自身が逃げるための言い訳に過ぎない。もっと直截にいえば「責任逃れ」をしているに過ぎないということだ。企業組織における責任とは、単に役職者だけに課せられている訳ではない。
 自分に与えられた課題に対して、自分の頭で考え先ずは実行するという前提に立って計画し実行する。その結果として新たな課題や対応策の必要があれば、その理由を明確にして自分が次にやるべきことを発見していくという姿勢の堅持である。この責任が役職の有無にかかわらず一人ひとりに課せられている。
 もし、この責任を課せられることを厭い、いつまでたっても「指示されること」を繰り返すことに身を置くことに安住するのであれば、それは「仕事」ではなく、単なる苦役に過ぎない。当然、こうした「指示されること」を繰り返すだけのヒトには、新たな仕事は回ってこないし、職務能力の蓄積もなされない。

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