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週刊Neue Fahne

2013年04月29日号

仕事は「与えられるもの」との意識に固執してはならない

 多少乱暴ないい方をすれば、会社規模や業種業態に関わりなく、会社組織ではすべての業務が合理的に展開されているとは限らない。企業犯罪は別として企業組織では一見すると理不尽に思われる行動規範の下で展開されている場合がある。
 また、企業においては健全なマネジメント育成が行き届いていないという原因により、根拠のない経験論や根性論もはびこり不合理な業務指導をする先輩や上司が存在したり、幅を利かせたりしていることも見られる。これらは各企業組織における日常的なそしてある意味で永遠に解決努力が求められるマネジメント課題でもある。
 マネジメント課題の未成熟により発生する組織の「不合理性」は、軽重があるにしても多くの企業組織で往々にみられることである。しかし、組織的な就労経験のない者にとっては、非常な違和感を持つことは大いに理解できる。
 こうした違和感は企業における就労経験に限ったことではない。組織経験全般の経験が乏しければ、他者との折り合いをつけながら組織の持つある種の不条理性の中で自らの立ち位置を確立していくこという能力は形成されにくい。

 ところで、学生の就職活動時期になるとさまざまな就職活動の論調が注目を集める。その多くは内定が決まらない学生の心理を反映してか、学生に過度の自己分析を求めるものやある種のテクニカルな論調が目立つ。最近ではこれらに加えて、学生の安易な就職先選びを戒める論調も増えている。なかでも「ブラック企業」というキーワードの下で一部の企業群を批判する傾向が目立ち始めている。
 昨今日批判される「ブラック企業」とは、反社会的勢力に加担している企業を指している訳ではない。ネット上で出回る「ブラック企業の特長」としてあげられる項目は、押しなべてどこの企業でも多かれ少なかれ発生している問題を誇大に取り上げているにすぎないように思われる。さらには就職面接時に「圧迫面接を受けた」という理由で「ブラック企業だ」と触れ回る類が増えている。
「ブラック企業」批判は、働く側一人ひとりの「働き方」や就労意識形成について問いかけることなく、表層的に残業時間が長い、退職者が多い…云々、という一般的に労働集約型企業が抱えている問題をことさらに取り上げているのが特徴だ。

 こうした批判には会社組織で働くという主体的な意味付け、仕事に対する自らの取り組み姿勢という根源的な事柄について問うものはない。あくまでも「仕事は与えられるもの」という前提に立って、誰かからの「仕事の与えられ方」の条件面についての良し悪しを語っているに過ぎないと思わられる。
 あくまでも「仕事は与えられるもの」との意識に固執すれば、例えどのような良い条件であっても常に他の条件との比較してしまうのは当然の帰結ともいえる。その果てに仕事は「苦役」であり「強制」されたものになるのは必定だ。

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