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週刊Neue Fahne

2013年08月19日号

管理職の役割と徒弟制度≠フ「親方と弟子」の関係は異なる

 管理職のなかには部下や同僚を前にして二言目には「会社の方針が不明確だ」と繰り返す者がいる。こうした発言をするのであれば、さっさと「管理職」を返上して一作業員への降格を願い出るべきだ。
「経営の方針が不明確だ」とは、つまるところ自ら経営の当事者としての意識を持っていないあらわれである。また、「出来ない」「忙しい」を口にする管理職も同様だ。自ら管理職としての職責を果たせないと感じたならば降格を願い出るべきだ。
 こうした管理職の下では部下は絶対に育たない。それだけではない「管理職とは割の合わない役目だ」との思いを部下にすり込むことになる。

 仮に自分自身で「会社の方針が不明確だ」と考えたならば、自分自身が経営的な立場でモノを考え、物事を読み取る努力をしていないのではないかと反芻してみる必要がある。経営方針とは、1から10まで与えられてわかるものではない。管理職が自分で読み取る努力をして会得していくものである。
 常に与えられることを待っているという姿勢に終始していては、たとえ仕事はできたとしても、意識の上では単なる職人気質で終わってしまう。
「会社の方針」とは奇抜なものでもなければ目を見張るアイデアにあふれているものでもない。一般的にいえばごくありふれた業務を通して、いかにして業務の改善や効率化をいかに志向して行くのかということが基本となる。

「会社の方針が不明確だ」と繰り返し、そこに何時までも留まっているのであれば、それは「自分で考えない」といっているのと同じことになる。これでは単に与えられた作業をこなしている「デキル作業員」にしか過ぎないと自覚する必要がある。
 また、自分自身が納得していないにも関わらず、「会社の方針だから…」と繰り返す管理職もいる。こうした思考方法も職責としては無責任極まりない。
 管理職とは社歴の長さや業務への精通度合いとは、全く関係ないものであると考えなければならない。管理職の役割とは、あたら得られた条件の下で常に最適な結果を追求して行くため、自らの活用できる資源を駆使して最善の方法を見つけて行くことである。

 管理職のなかには「管理職とは、人一倍仕事ができて、部下を引っ張っていける人でなければならない」と考える者がいる。こうした思考は誤りではないが、マネジメントという観点について無理解であるといわなければならない。
「人一倍仕事ができることが、部下を引っ張っていける人」との考えは、本人の気概としては結構だが、ある意味で古き徒弟制度の「親方と弟子の関係」から抜けきらない発想だ。「仕事ができれば、部下を引っ張っていける」との思考からは、部下育成という発想は生まれにくい。こうした発想の根底には常に自分基準でしか物事を見ない傾向に陥る危険があるので要注意だ。

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