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週刊Neue Fahne

2013年11月04日号

部下育成は管理職の「価値ある業務」

 管理職の業務範囲と役割は多岐にわたるが、当然のことだが自分一人ですべての課題を解決することなどできない。自らの多様な役割に圧倒され、時として「部下が育っていない」という不満を漏らす管理職がいる。
 しかし、管理職は決して部下の能力不足を嘆いてはならない。部下の能力不足への不満は、自らの失態を他者に責任転嫁するのと同じことだ。

「部下を育成してもなかなか評価されにくい。会社の人事考課のシステムや採用にも問題がある…」と不満を述べる管理職がいる。こうした管理職に限って部下に命令や指導は行っても、現場での部下育成を軽んじる傾向がある。
 だが、部下育成は管理者が果たす役割のなかで、会社が管理職に期待する業務内容において、重大級のものであることを忘れてはならない。なぜならば、部下への日常的実践が会社組織の業績向上に直結するからだ。業績向上と部下育成は表裏一体といっても過言ではない。管理者はこのことをしっかりと肝に銘じていなければならない。
 

 極端にいえば管理職は、部下育成に自分が業務に費やすエネルギーの大半を注ぐ気概を持って臨む必要がある。部下育成とは常に「自分の代行者を創り出していく行動である」と考えるということだ。
 従って、自らの部門の業績を部下の能力不足に転嫁することは、自らの怠慢を意味していることになる。それほどに部下育成は重要なのである。
 管理職が優秀な人材を育てることは、必ず会社組織と自分自身への「利益」となって返ってくる。なぜならば、優秀な部下が育てばその分だけ、自分が担当する部門の目標は達成しやすくなるからだ。
 優秀な人材が育てば、その部下に自分の仕事を任せることができる。そうなれば自分はもう一段高いところにステップアップして組織に貢献する機会が増してくる。
 

 一昔前までは、部下が十分に育つと「自分の居場所がなくなる」と考えて、わざと手を抜く管理者がいた。また、「仕事は教えるものではなく、盗んで覚えるものだ」と豪語し、育成行為を行わないことが指導だと勘違いしている管理職もいた。しかし、今日の経営環境の下ではどのような会社組織においても余剰な人員は抱えることはできない。
 まして、会社組織は大勢の中から「優秀」と思しき者を選択するという余裕などは存在していない。つまり、可能な限り少数の人材で適正な利益の確保に向けた、一人ひとりの働きに対する「付加価値」が求められる。
 一方で「即戦力」たりうる部下が自分の部下に配置されるとは限らない。そもそも何を持って「即戦力」と定義できるかも怪しい。

「人材育成」という課題は、企業組織にとって今一度大きなテーマとなってきている。そこで、部門経営者としての管理職は、今現在の職場環境を冷静に見渡し、部下を「如何にして育成するか」という課題が、ますます管理職の「価値ある業務」の一つとなってきていることを自覚しなければならない。

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