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週刊Neue Fahne

2014年05月19日号

管理職には職場を“俯瞰して見る目”が必要

管理職は自分を一人の「戦力」と位置付けてはならない。つまり、常に全体を見渡す位置に立ち、大局的な「ものの見方」が不可欠だ。「自分がやらなければ」との思いは、一見すると主体的に動いているが実は部下が力を発揮することを阻害している場合もあることを忘れてはならない。
 また、何もかも「手取り足取り」で部下に指揮命令を発していると、部下の側は「指揮命令」に反応することが自分の仕事であると錯覚を起こすことにもなる。その結果、部下はいつまでたっても上司からの「指示を待つ」ことが常態化し、自分の頭で考えない癖がついてしまう。

  同僚との間で次のような不満や愚痴を酒の肴にして、怪気炎を上げる管理職と思しき人びとをいまだに見かける。
1.自分は一所懸命に部下よりも仕事をしている
2.自分がいくら苦労しても部下はわかっていない
3.自分の思いとは裏腹になかなか職場がまとまらない

  おしなべてこの種の不満や愚痴を口にする管理職が職場の長であるならば、決してその職場の業績も上がらない。その原因の一つには、管理職自身が部下と同じレベルの仕事を抱えることに自己満足しているからだ。さらにいえば、管理職が果たすべき「役割」と「業務」とを混同してしまっている。
  管理職にまず求められることは、「業績目標の達成と当面の業務遂行」である。
  つまり、期首に掲げた目標に対して毎月、四半期、半期、年間という単位での達成が問われるものだ。単にこの目標とは「予算」だけを際しているわけではない。部下の育成課題も当然にも達成目標としてカウントされているはずだ。管理職はこの結果に対して常に「責任」が発生する。

  目先の仕事を片づけるために、「管理職が一戦力として一所懸命に働く」というのでは、職責を果たせない。とくに、慣れた職場で昇格して管理職になった人に、この傾向が強い。部下では手におえない事柄を管理職自らが率先垂範で片付けるのは当然なことだ。しかし、管理職が一戦力として仕事をすることが恒常化している職場では、そのツケは必ず管理職自身にまわってくる。
  管理職の仕事は、職場の力を結集することに意を注ぐことに他ならない。管理職の本来の仕事は「方針にもとづいて、職務を遂行するために、職場の力を結集する」ということである。

  管理職がその職務を遂行するためになすべきことは、“仕事を具体的に計画し、担当者を決めて組織し、担当者に対して適時適切に命令し、進捗状況を調整し、必要に応じてコントロール(統制)する”こと、すなわち、マネジメントサイクル(PDCA)を回して正しい方向に向かわせることだ。
  そのためにも“職場全体を俯瞰して見渡せる位置”に身を置かなければならない。管理職が一戦力であることに終始し目先の事柄に没頭し、職場をコントロールすることを怠ると、仕事の流れが停滞したり、あちこちで不協和音やトラブルが続発したりして、職場が混乱する。

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