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週刊Neue Fahne

2014年05月26日号

管理職は部下の“自然な成長”に期待してはならない

“社員は自ら成長し、成果をあげようという意識が希薄なものだ”といってしまえば、大きな反発が寄せられるであろう。しかし、部下と接する多くの管理職は、思い当たると思う。そして、職位が高くなれば高くなるほどこの思いは増してくるはずだ。
  ただし、管理職の立場にある者は、“そうであるがゆえに部下の成長を促し、成果を積極的に評価する必要がある”という思いを強く持たなければならない。

  一般的にいえば社員は「今のままでいい」と感じている。同時に「変わりたくない」という意識が強いものだ。何故ならば、これまでと同じ仕事を繰り返していれば、基本的に「毎月自分の口座に給与が振り込まれる…」との思いに慣れ親しんでいるからだ。その結果、「自ら成長し、成果をあげていかなければ…」という意識からかけ離れていく。日常業務の遂行に終始しているならば、その繰り返しの延長線上に自然にこの成長への意識形成はなされない。
  そこで、管理職は上司として部下に対して不断に個々の能力、それぞれの成長度合いを測りながら「期待」をこめて、OJT、社内外の研修を活用して部下に刺激を与え続ける必要がある。

  こうした管理職の姿勢がすぐに部下に伝わるとは限らない。恐らく最初は上司からの指導、社内外での研修や学習は「面倒だ」という意識を持ってしまう。そして、何事にも「やらされ感」が先行するものだ。部下は自分への指導や提供される学びの機会を主体的に自分の“能力向上や仕事の一環だ”と位置付ける意識は、上司が期待しているよりはるかに希薄なのだ。
  当然、こうした没主体的な意識で研修への参加や学習を重ねたとしても、期待する効果は上がらない。
  OJTにしても、そもそも社員の成長意欲が乏しければ、上司の指導に対する真剣さや感謝の気持ちが希薄になるものだ。そのために、能力向上に結びつかないことが多い。現状維持の気持ちが自己成長を阻むことになる。

  上司の側は部下が日常業務の熟達するで「自然に成長してくれる」と思ってはならない。成長させていくために「具体的にどのような課題を提供していくのか」を考えなければならない。そのために大切なことは、まず、部下への成長に期待を前提として以下を繰り返すしかない。
1.OJTや研修の目的、意義を明確にし、学ぶことの意味を問い続ける
2.必ず中間目標をいくつか設定してその度合いを相互に確認し合う
3.部下に成長の兆しが見えたら、しっかりとした評価を行う
  部下に対して課題を設定しただけでその後放置していては意味がない。なぜなら、基本的には“自ら成長し、成果をあげようという意識が希薄”だからである。
  部下の“自然な成長に期待しない”で上司からの不断の働きかけを実践していく過程は、とりもなおさず部下を“見極める”ことであることを忘れてはならない。

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