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週刊Neue Fahne

2014年06月02日号

若手育成とは管理職自身の“就労観”を明確にすること

管理職は若手社員の育成という課題から逃げてはならない。ともすると「世代論」にすり替えて“最近の若手社員は何を考えているのかわからない”と口走る管理職が多くなっている。しかし、こうした“すり替え”の繰り返しは、管理職の力量不足と育成意識の欠如を露呈するだけだ。
  もちろん人それぞれに育ってきた環境は異なる。そして何よりも若手社員が育ってきた社会環境が大きく変化している。この社会環境の変化が若手社員に影響を与える度合いは、管理職が想定している以上のものがある。

 とりわけ今日の20代社員は基本的に日本社会の「成長期」を知らない。彼ら彼女らが育ってきた社会環境は企業の大型倒産やリストラなどが吹き荒れていた時代で、この時期に小学校や中学校時代を過ごしてきた。
  従って、“一所懸命に頑張れば、頑張るほど将来的に自分の生活はよくなっていく”という感覚を持ち合わせていない。こうした時代背景のもとで育ってきた者に対して、一般論として気合いや根性論は通用しない。また、就労観も当然に社会の成長期に育ってきた者たちとは異なっている。

  そこで、管理職が若手社員に育成を施していく端緒は、「働くとはどういうことか」という根源的なところから始める必要がある。同時に「会社」という“組織に参画して働く”という意味づけをしっかりと育んでいかなければならない。若手社員は、「会社とは何か」という至極当然な事柄についても“理解されていない”という前提に立つ必要がある。
  つまり、基本的な「会社観」なども若手社員には形成されていないという前提での育成が必要ということだ。
  学校が施してきたのは、やれ会社分析だ!業界・企業分析が必要だ!と説く就職活動指導に過ぎない。まして「会社とは何か」「働くとはどういうことか」というもっとも根源的なところでの「教え」は行われていない。採用選考などで学力や技能の優秀さをアピールしたとしても、実際の配属現場では押しなべてトンチンカンな発言や行動が現れる。

 管理職の側が若手社員のこうした言動や行動に一喜一憂して振り回されてしまうと「何を考えているのかわからない」という理解不能に陥る。そして多くの管理職は「いまの若者には何をいってもムダだ」と最初からあきらめたり、指導の機会から逃げたりしている。これでは若者たちは、ますます働くことの意義や重要性を実感できなくなる。
  そこで、管理職の側が自らの行動やこれまでの社会経験、就労経験から会得してきた“会社について、働くことについての意義や重要性”を自分の言葉で語っていかなければならない。
  ただし、ここで重要なのは管理職自身が明確に自ら形成してきた“就労観”を明快に語ることができるか否かだ。この意味からも管理職による若手社員の指導・育成は管理職自身の姿勢の確立だ。

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