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週刊Neue Fahne

2014年12月01日号

管理職が部下への仕事の指示で怠ってはならないこと

 企業組織における管理職は自らに与えられた権限の範囲において、部下を動かしながら業務を遂行し、その成果に責任を持たなければならない。従って、自らの所管する組織単位に課せられている業務に支障が発生した場合、あるいは期中で求められる目標等で成果が得られなければその責任が問われるのは当然のことだ。
 組織における管理者とは、部下を率いているのであり“一人親方”で業務を行っている訳ではない。そこで、管理職には動かす対象である部下に合理性がある指示、命令を行い、部下に仕事への納得性を持たせる説明を行っていく責任がある。また、仕事の与え方の工夫も必要となってくる。

 多少とも仕事に慣れている部下は、自分で勝手な判断をしがちになる。この種の部下に指示を発する上司の側が、「当然、解っているであろう…」との思いで、細かな指示を出さずに提出期限だけを告げて仕事を振ることがある。部下は上司からの指示の下でその仕事を行うのだが、往々にして上司の思惑から全くピントの外れた結果を生むことがある。
 この結果に至った段階で初めて、仕事を与えた側の上司は愕然として、部下を“怒鳴り散らしたい”という衝動に駆られるものだ。しかし、部下を怒鳴っても失った時間は戻らない。この種のケースは上司の側が“部下の仕事ぶり”に無関心であるために発生する。
仮に部下へ指示した仕事のアウトプットが悪ければそれは部下の責任ではなく、仕事を指示した側の上司にある。
 上司の側が“部下の仕事ぶり”の悪さに「このくらいはできると思ってやらせてみたが…」と“部下の能力不足”を嘆きたくなる場合もある。しかし、部下に仕事を与えた以上は、その出来の悪さの原因が“部下の能力不足”にあることが明白であったとしても、それは部下の責任ではない。上司の側には、そのような能力不足の部下に仕事を与えた責任があるということだ。このケースは部下の能力向上を怠っていた管理者の側にあるということになる。仕事を与える側は部下の能力をしっかりと読み取っていなければならない。

 もちろん、部下の側に自ら“能力向上の意思”がなければ、いくら上司が能力向上の機会(新たな仕事へのチャレンジ)を与えても“馬の耳に念仏”となる。なぜなら“能力向上の意思”のない者は、上司が部下の訓練のために良かれと思って任せる仕事や指示でさえも「面倒な仕事を振られた…」と思ってしまうからだ。管理者はこの種の“能力向上の意思”を示さない部下を見極めて、“重要な仕事は与えない”という決断を行う必要もある。さもないと“能力向上の意思”のない部下の尻拭いをしなければならなくなる。

 企業組織において人は自らに与えられる仕事の機会を通して成長するものだ。従って、この機会を有効に活用しようとする意識が自分自身の能力向上につながる。しかし、いつまで経っても指示した側の期待に達しない者は、“自己学習能力の欠如”ということになる。
 部下の学習能力を測るためにも管理職は常に“部下が本当に指示された事柄、その仕事の意味を納得しているか”という点を注意し確認しなければならない。これは管理職に求められるコミュニケーション能力にも関係してくる。ここでいうコミュニケーション能力とは、“部下にやるべき仕事を納得させる力”という意味だ。
 管理職は「解っているだろう…」という発想を戒め、部下への仕事に指示にあたっては、常に組織の必要性を基準として「何をやるべきか」「何を優先すべきか」を理解させることを怠ってはならない。

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