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週刊Neue Fahne

2015年04月13日号

既存社員の“仕事に対する意識”が新人に伝播する

 一般的に高校や大学を卒業してから企業人として40年前後の仕事人生が始まる。もちろん企業以外での公務員や非営利団体で仕事人生を始めるひともいる。学生時代からアルバイトをすることは一般的になっているが、組織の一員として働くという意味では最初の職場での経験が働く者の人生に大きなインパクトを与えるものだ。

 組織の一員として働き始めた後に途中で起業したり、独立したりする道を選択するひともいるだろうが、スタート時点での職場経験が“就労意識の形成”の基本となることに違いはない。そうであればこそ既存社員は、新人の人生にとって大きな影響力を持っていることを自覚しなければならない
 日本ではまだに「一社を勤め上げること」を美徳とする考えが根強く存在している。また、最近の新卒者の意識調査では、ひと頃の「キャリアを積んで転職する」という考え方から、「定年まで今の会社に勤めたい」という意識が強まっているのも事実だ。
 いずれにしても、ひとは最初の職場で仕事を通して自らの責任、役割、対人関係、身の処し方などを学んでいくことに変わりはない。つまり、途中で転職しようが起業しようが、ひとは最初の職場での仕事経験がその後の約40年間の人生を左右するといっても過言ではない。

 既存社員が“仕事を仕方なく「生活のためだから…」”との思いで行っていると、すぐにこの姿勢が新人に伝播してしまう。また、既存社員が不平不満を抱きながら仕事に従事している姿は、新人に対して仕事を“苦役”を植え付けることにもなる。これでは長い人生に意味を持たせることもできない。既存社員はこのような“苦役意識”を新人に持たせてはならない。
 P.F.ドラッカーの有名な「三人のレンガ積み」の話ではないが、自分が「命令でただレンガを積むだけに働く職工」で終わるのか、「レンガで塀を造る専門の職工」を目指すのか、それとも「教会を造るという明確な目的を意識してレンガを積む人」になるのか。一人ひとりがこのいずれかを自分で選択していかなければならない。これは個々人に宿る単なる能力の問題ではなく意識の問題だ。

 既存社員の働き方や仕事への意識は、新人社員の意識形成の手本でなければならない。仕事の意義をしっかりつかんで働くひとは、他者から「やらされている」という発想から解放され、イキイキとした働き方ができ、しなやかに自分の仕事のやり方にも創意工夫をもたらすことができる。新人は就労意識を既存社員の日常的姿勢を自らの将来に投影することを忘れてはならない。

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