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週刊Neue Fahne

2015年04月06日号

若手・新人に“狭い経験に固執”する怖さを自覚させる

 経済のグローバル化とグローバル人材の育成が強調されるようになって久しい。しかし、“グローバル化とは何を指すのか”となると千差万別の答えが返ってくる。なかにはいまだに単純な語学力の強化をグローバル化と位置づけてしまう傾向もある。
 もちろん、コミュニケーション・ツールとしての語学は非常に重要である。もっともビジネスにおいて日本語の正確な言葉つがいや文書力に劣る者は、日本人同士であってもコミュニケーションが取れているとはいえない。
 
 そこで、管理職は先ず若手・新人に対し、自分の考えていることを他者に正確に伝えていくことの重要性と必要スキルを磨かせて行く必要がある。特に「書く、話す、聴く」スキルは自らの発信力の基本となるため、管理職は若手・新人の「書く、話す、聴く」力を把握ることが重要だ。仮に劣っていると判断した場合には、それを補う指導を強化しなければならない。
 同様に管理職の側が若手・新人の力を把握するためには、自分自身の指示・命令が正しく伝わっているか否かを振り返ることも必要となる。ただし、「書く、話す、聴く」力は、経年で身につくものもなければ、単純な「おしゃべり」の延長で身につくものではない。意識的によく読み、よく書くという行動を蓄積させていくしかない。これはビジネスリテラシーの基本であり大前提である。

 今も昔もビジネスでは「書く、話す、聴く」力に限らず基本の重視が求められる。また、グローバル化にとっては、ますますビジネスの基本が不可欠な要素となっている。グローバル化とは一言でいえば「競争の原理」が変わったということである。
 今やこれまで日本で常識化されてきた商慣習が通用せず、日本の基準が通用しない時代である。もし、自分の思考を正しく表出していくことのできる力が備わっていなければ、そもそも競争のスタート台に立つこともできないことになる。
「これまでのやり方」「これまでは…」という固定概念が自分の思考を減退させていくことになる。今まで当然と思っていたやり方、慣習を捨てなければ、業績に貢献しライバル会社に差をつけるようなスピードアップはできない。しかし、残念ながら人間は変化を好まない。まして、いまのやり方が何とか及第点をとっていると、このやり方でいいと思い込んでしまうものだ。“自分はいままでずっとこのやり方でやってきた。不都合はなかった”と思った瞬間に新しい事柄に挑戦するにはエネルギーを削いでしまう。

 管理職が若手・新人に求めなければならないのは、“世の中が変われば、改善する箇所も変わる。世の中の変化に応じて、こちらも変わりつづけなくてはならない”という感覚を保持させることだ。成功体験はある時に過去の経験則に規定された発想に陥るものだ。成功体験が強ければ尚更、成功体験が思考を止めてしまう危険性もある。
 従って、“狭い経験に固執”していると新たな「競争の原理」への順応を阻害してしまうことになる。管理職は率先してこの意識と戦い、若手・新人に“狭い経験に固執”する怖さを教えていかなければならない。

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