人材育成が社員と会社組織の協働を創りだす

HOME >週刊Neue Fahne(責任転嫁からは何も生まれない)

お問い合わせはこちらから 03-5297-1866

お問い合わせフォーム

株式会社ノイエ・ファーネ

東京都千代田区神田錦町1-4-8
ブロケードビル5階B

TEL.03-6260-5700 FAX.03-6260-5701

週刊Neue Fahne

2011年05月02日号

責任転嫁からは何も生まれない

 東日本大震災を契機に「自助・共助・公助」という表現が一般化し始めた。意味するところは先ずは「自らの責任において自らを助ける意識」や地域社会と共に支え合う行為・行動があって、初めて「公からの助け」が功を奏するというものではないか。
 会社組織に置き換えてみれば組織への自らの「貢献」なくして、組織に対して一方的に「何かを期待する」だけでは、何も解決しないということだ。

 ところで、会社組織への「依存」と物事への「責任転嫁」は表裏の関係だ。単純化していえば組織への「依存意識」が強い者は、何か事が発生すると組織へ「責任転嫁」を行う傾向が強いものだ。責任とは自分の行為・行動を自分で自由に選択して、その結果として起ったこと全てに法的ないし道徳的な応答をすることである。つまり自分自身が行う行為・選択に伴い、それに応じた結果に対する責任は自分自身にあるということだ。
  当然にもひとはそれぞれ、自らの「働き方」について自由である。しかし、その結果について最大の責任を持つのは本人であって会社組織ではない。とりわけ働きを通した自らの「成長」についての責任は、全て自分にあることを忘れてはならない。こうした意識を持ち続けなければ、事あるごとに「会社が○○だから…」という具合に責任転嫁に走ってしまうものだ。

  仕事や働き方を通した成長のありかたについて、常に深遠な主張し続けてきたのはドラッカーだった。彼は働く者の成長の責任は、常に自分自身が負うものであり、全ては責任から始まるということを強調して、次のような言葉を残している。
「成功の鍵は責任である。自らに責任をもたせることである。あらゆることがそこから始まる。大事なものは、地位ではなく責任である。責任ある存在になるということは、真剣に仕事に取り組むということであり、仕事にふさわしく成長する必要を認識することである」と。

  自らの成長に責任を持たず、責任転嫁に走る者は、おのずと自らの成長と止めてしまっているということだ。仕事での失敗は誰であれ、どんなときであれ必ずつきまとっている。仕事にともなうリスクを回避する手段は、逆説的ながら一つしかない。それは、「自らは何もしない」ということだ。
  つまり、ただひとから指図されて、いわれた事をいわれた通りにしか行わないという姿勢を取り続けていれば、何時でも「自分は言われた通りに行っただけだ…」との言い訳ができる。
  はたしてこれが仕事を行っていることになるのだろうか。仮にこうした行動が仕事であると思っているのであれば、あまりに虚しいことだ。仮に指示された仕事においてであっても、失敗したのであれば、その原因は何か、どこに問題があったのかということについて、目を背けずに分析してみるという姿勢が、責任を転嫁しないということだ。

一覧へ

ページのトップ