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週刊Neue Fahne

2016年06月13日号

管理職は思考停止に陥ってはならない

「成長も学習も本人の努力の結果であるから、自ら努力しない人々の進歩について、企業が責任を感じることほど馬鹿げたことはない」とは、あまりに有名なドラッカーの名言だ。ただし、ここでいわれている“学習”とは単にビジネス上のスキルだけを指しているわけではないだろう。
 企業人はビジネス知識に長けているだけではなく広く歴史や文化、社会状況に対する洞察力を不断に磨くためリベラルアーツを身に付けていかなければならない。ただし、この洞察力は決して日常業務の繰り返しで習得することはできない。

 歴史や文化、社会状況に対する洞察力を磨くための学習は、一見すると自らの仕事や業務に直接的にリンクしているとは限らない。しかし、企業人にとっての学習とは、すべて自らの仕事と何がしかの関連性があり、学習で得た知識が自らのマネジメントの糧になる。なかには日常業務に直接関係のない知識は無意味でムダであると考える者がいる。こうした発想の持ち主は、自分に理解できない問題を難しい問題と位置づけ、思考を停止させる傾向がある。このため、何時まで経っても同じ事柄の繰り返しに満足し結果的に成長が止まることになる。
 実は自ら思考を停止させるほど楽なことはない。たとえば企業人であれば単に上からの指示を無批判に繰り返し、何か問題が発生すれば、“上からの指示を実行したまでだ…”と言い訳ができるからだ。つまり、思考停止とは責任の放棄と同意語ということだ。

 思考が停止した者には想像力など望むべくもない。とりわけ組織体において思考停止の従業員が拡大再生産されることほど危険なことはない。思考停止の従業員は得てして次のような企業に発生しがちだ。
・業績が安定している企業、取引先にも恵まれ従来顧客と安定した関係を保っている企業
・これまでの扱い商品の信頼も高く従業員の採用においても新卒を含めて相応の充足状態にある企業
・従業員の平均年齢が比較的高く中間層の定着率も高い。どちらかといえば和気藹々とした雰囲気が漂っている企業
・部門間で明確な線引きが存在し、互いに自部門以外の事柄について口出しをしない習慣が確立している企業
こうした企業は規模の大小にかかわらず従業員が思考停止状態に陥る危険性が高いのは、“今現在安定しているから…”という意識、“これまで通り…”という意識が先行しているからだ。

 とりわけ管理職層にこの意識が蔓延すると企業組織は、真面目で実直だが与えられた業務をこなしルーチンワークを重視する集団になっていく。さらに意地悪く言えば“いい人”達の集まりで、決して誰一人としてサボっている訳ではないが、活性化に乏しく無難な一日が流れていく状態になる。管理職は自分自身がこうした状況の元凶になることに何よりも危機感を持つ必要がある。
 管理職は決して“いい人”である必要はないし、“嫌われること”を恐れる必要もない。職場が思考停止状態に陥らないため、自ら日常業務の繰り返しに甘んじることなく、敢えて“波風を立てることを持さず”という姿勢が必要だ。もちろん、管理職の発言や行動が学習によって得られた洞察力に裏打ちされたものでなければ、単に混乱を引き起こす“問題管理職”で終わってしまうことになる。

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