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週刊Neue Fahne

2017年02月06日号

新人に教えるビジネスの常識 ―1−「企業は社会的な存在である」

 会社は利益を出さなければならない。ただしこれは目的ではなく「企業が存続する条件」である。同時に企業には社会的存在として社会に貢献するという責任がある。企業が社会に対する責任を果たすといえば、すぐにCSR(Corporate Social Responsibility)を思い浮かべるだろう。
つまり、企業は利益を追求するだけがすべてではなく、企業という組織の諸活動が社会へ与える影響に責任を持つということだ。また、消費者、投資家等、及び社会全体という利害関係者の要求に対して、適切な意思決定をしていかなければならない。企業の利益追求と社会的責任は一見すると矛盾しているように感じるが、対立物の統一として位置付ける必要がある。

 企業の社会的責任とは単に株式上場をしている企業だけの問題ではない。全ての企業とそこに働く一人ひとりが意識しなければならないということだ。ともすると企業の社会的責任は“会社が行うも諸活動の一つである”と狭く位置づけてしまう傾向がある。このため企業に働く個々人の行為・行動が持つ社会的な責任意識が薄れがちになりがちになる。
 企業が「社会的責任」を強調しても、そこに働く一人ひとりがその意味を理解していなければ、企業の単なるPR事業と同じになってしまう。企業が社会的責任を果たすとは、単に法律を遵守することではない。まして顧客や取引先に対する信頼や安心感などプラスのイメージを与えることを目的としたものではない。

 企業が「法律の遵守」をことさら声高に謳うのは滑稽でもある。何故ならば、そもそも企業は規模の大小や上場、非上場を問わず公器であり、社会的な存在であるからだ。従って、そこで働く社員も社会的責任を担う社会の一員としての責任を果たすことを第一義的にしなければならない。この観点を新入社員に徹底的に意識させていかなければならない。
 企業は最初から社会的存在であるから存続しているのであり、企業での働きはとりもなおさず社会との繋がりの中で存在しているが故に意味があるということだ。そして、企業の行う事業活動それ自体が社会から求められる自発的な活動でなければならない。この自発的な活動に参加している一人ひとりの社員もまた、企業の存続をかけた事業活動に参画することを通して、持続可能な未来を創りだしていく社会的な責任を果たさなければならないということだ。

 自発的な活動の中身は、単に企業の外向けのアピールであってはならない。そこに働く個々人の全てが、自ら属する企業組織の活動に自ら責任を持ち、しかもその責任を分担しているという意識を持つことが必要だ。企業で働く一人ひとりが「わが社の方針は、社会的な責任を果たすことです…」などとお題目を繰り返すことでもない。肝心なことは、一人ひとりがその責任を分担するという意識を持たなければ意味がない。
 4月を迎えて多くの企業では新人を迎え入れることになる。当然のことながら企業の「社会的責任」の教育科目に挙げられるはずだ。そこで、“企業が社会的存在である以上は、企業組織と個人の双方に果たすべき責任が求められる”という概念を徹底的に醸成していく必要がある。

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