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週刊Neue Fahne

2017年05月08日号

新人に教えるビジネスの常識−9−リスクテイクの覚悟を持つ

 いまだに「就職すること」と「就社」を勘違いしている者がいる。これは単に新入社員に限ったことではない。管理的な立場に就いている者も含めて、この意識に浸っている者が多いのも事実だ。この意識は必然的に仕事において「リスクヘッジ」を先行させることになる。
「仕事では向こう傷を恐れるな!」という言葉がある。売上や利益拡大に向けて邁進している時などに往々に発せられる言葉だ。つまり、設定した目標に向かって戦いを挑み体の前面に受けた傷は、戦わずして受けた「後ろからの傷」よりもマシだという意味だ。「後ろ傷」は、「逃げる」時に受ける傷で心にも傷を残すものだからだ。

 もちろん、仕事において何の勝算や根拠もなく単なる精神論で無謀な決断をするのは誤りだ。自分に課せられた課題、役割に対してしっかりと分析し、成果に向けての道筋を立てて臨むことは当然である。しかし、すべての仕事において絶対確実な成果が最初から保障されていることはあり得ない。何時までも「ああだ、こうだ」と考えている間に勝機を逃してしまうことだってある。まして、時代変化が激しい今日では、実践を通じて「泳ぎの中で泳ぎを覚える」という意識が必要だ。
 自分から積極的に取り組んだことの結果は、成功・失敗のいずれであろうと自分自身の「血となり肉」となるものだ。仕事を展開していくうえでは「ある行動に伴って発生するかもしれない危険や損をする可能性」というリスクが常に伴うものだ。

 ひとは誰しも「危険を冒したくない」と思うものだ。とりわけ新人は自らの経験不足や将来への不安もあり失敗を恐れるものだ。仕事においても自分が不得手な課題や新規の取り組みを任された場合も尻込みしたくなる。できれば、他人に任せて自分は「今まで通り」でありたいと考えたがるのが常だ。しかし、「今まで通り」が通用しないことなど明白になっている。
 今日では「リスクを恐れて行動しない」ことによる機会損失のリスクも発生することを忘れてはならない。リスクを恐れて「石橋を叩いて渡らない」で立ち止まっているならば、後から来た者が先に渡っていくこともある。みんなが渡っているので安心して、いざ自分も渡ろうとすると、今度は石橋が崩れ落ちてしまうことさえある。

 リスクを恐れて立ち止まることはできるが、それは停滞を意味することになる。経営者感覚と一般社員感覚の決定的な差は、リスクを背負うという感覚にあらわれる。経営者がリスクを背負ってまで事業を展開するのは、自らの提供する商品・サービスを世の中に提供したいという「思い入れ」が基本となっているからだ。
「リスクを背負う」という感覚は自分たちの日常の仕事においても重要だ。この「リスクを背負う」という意味は、後先を考えずに無謀な行動を取るということではない。常に「ものごとを大局的に見て、自分の役割や位置を把握しながら勇気を持って果敢にチャレンジしていく」ということだ。仕事での「リスクを恐れない」とは、自分自身が状況の変化に対応し、常に自己革新を通して物事を判断していく、覚悟ある行動を取るということでもある。

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