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週刊Neue Fahne

2017年05月15日号

新人に教えるビジネスの常識−10−“無礼講”などはビジネス上の酒席に存在しない

 社内では年末年始をはじめ、仕事が一段落すると全社的あるいは部門で「打ち上げ」と称する宴会が催されるケースが多い。上司から「チョッと一杯やっていこうか」と酒に誘われることがある。社内に限らず取引先との間でもプロジェクトのスタート時に「キックオフ懇親会」や終了時に「慰労会」の酒席が設定されることがある。
 こうした席で「今夜は無礼講で…」と上司や取引先担当者が口にすることがある。無礼講とは「身分に関係なく酒を楽しもう」ということだが、“歯目をはずして呑む”という意味ではない。

 上司が「今日は無礼講だ!」というのを真に受けて、礼儀を欠いて、酒の勢いに任せて会社や上司を非難するような言動をとってしまっては、あとで取り返しがつかないことになってしまう。さらにSNSでの配信などは言語道断である。「無礼講 本気にすると 無礼者」という川柳は単なる笑い話ではない。「酒の上でのことですから…」などという牧歌的な言い訳は、今日では全く通用しないと心得ておくことだ。
 社内の上司・同僚、取引先担当者と酒を呑むということは、仕事の延長であることを心得なければならない。つまり、上司やお客様と酒を呑む場合には、あくまでもビジネスマナーの範疇であり、節度を持って臨む意識が必要であるということだ。

 仕事上での酒席にビジネスマナーが適用されるということは、常に「上座」を意識し、上司や取引先の席次に注意を払うのは当然である。特に取引先との間では饗応役に徹していなければならない。上司や取引先が注文する前に自分から「私はこれを…」などというのもマナー違反だ。もちろん、同席している上司や取引先担当者にもよるが、過度の遠慮も逆に失礼になる。
 同僚たちとの酒席でも節度あるマナーがおのずと求められる。呑みつぶれて周囲に迷惑をかけるようでは言語道断である。さらに同席している相手の体質や体調を無視して飲酒を「強要」したり、絡んだりするのは、マナー以前にモラル・ハラスメントの問題である。

「自分は呑めないから…」と誘いを断るのが悪いわけではない。しかし、職場を離れた酒席では、日常ではわからないその人の一面が見えたりするものだ。同僚との酒席では自分の適量や相手の状況、帰宅時間などを念頭において臨むことだ。酒席で無意識に生活姿勢が出ることを心得ることが重要になる。つまり、たとえ同僚との酒席でも“無礼講”などは存在しないということだ。
 そして、肝心なことは酒席の翌朝である。同僚との酒席の翌日に遅刻をしようものなら「恐らく社内での信用を永遠に失う」と覚悟しなければならない。また、上司に御馳走になったのであれば、当然のことながら真っ先にお礼を述べることは当然である。もちろんこの際に呼ばれなかった者に対する配慮も必要になる。

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