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週刊Neue Fahne

2017年10月16日号

現場マネジメントの課題 -5- 内部統制の確立によるハラスメント対策

 企業が自社のハラスメント発生を認識した段階では、すでに社内問題ではなく「インターネットの掲示板への悪口」(風評)や「内部告発」によって、社外問題に発展している可能性が高い。社外問題化するならば企業内部の人材管理のあり方のみならず、「取引先との悪化」にもつながる。同時に企業は即座に訴訟などに直面する危機を覚悟しなければならない。
 現場マネジメントにおいてハラスメントに伴う危機は、日常の業務行動の中に潜在的に存在していると認識する必要がある。“ハラスメントが一旦「顕在化」した段階では、すでに手遅れである”という認識を持つことが重要となる。

 現場マネジメントが留意すべきは、単にハラスメント行為に対して「注意をしたいがなかなかいいにくい…」「その発言はハラスメントである」という具合に適時の業務指導をすることに萎縮や躊躇してしまう傾向だ。あるいは「この程度は…」などというあいまいな意識を払拭し、単なる「言葉刈り」に終始することなく、全般的なマネジメントの健全性を作り出していく観点が必要となる。つまりハラスメント対策とは「企業組織の文化形成の成熟度を高めていくことである」との位置づけが重要となってくる。
 ハラスメントの中でもセクハラについては、「セクハラ防止と苦情処理のための雇用管理上の措置を義務付」(平成18年の厚労省告示615号による「指針」)で、具体的に講じるべき措置が明示されてきた。従って、仮に発生した場合には、明確な犯罪行為として断罪して行かなければならない。決して「個人の問題である」と矮小化して捉えてはならない。

 一方でパワハラについてはセクハラと異なり、防止措置を義務付けている法律規制は存在していない。このため、いまだに指導との区別がつきにくいことも確かで、現場での解釈や裁量に大きな差が生じている。パワハラ対策で重要となるのは、一般的な加害者となる傾向が高い管理者層に対して、基本的なマネジメント意識と多様性概念を育成することが重要だ。
 往々にして「パワハラの対象者」は、管理職にとって基本的に“問題社員と映る社員”であり、「周囲からも浮いている存在」と認識してしまうケースが大半だ。直截的にいえば“自分の言うことを聞かない”という社員への苛立ち、あるいは“自分も若い時に同様に扱われた”という偏狭な経験主義でもある。この種の経験則でしか部下指導を捉えることができない管理職にとっては「多少は厳しい指導も必要」という心理が働くことになる。

 企業組織を健全に機能させていくためには、パワハラの発生する素地をしっかりと管理するということだ。もちろん、現場マネジメントの基本姿勢として部下に迎合することではない。まして“問題社員”を放置することでもない。重要となるのは自ら真摯な就労感を確立し「部下に正しいことを実行させること」に決して躊躇しないという行動規範だ。
 ハラスメント対策とは「企業組織の文化形成の成熟度を高めていくことである」との位置づけが不可欠となる。企業におけるハラスメント対策は人事・労務マネジメントの範疇ではなく、「内部統制」を確立していく現場マネジメントの責任である。

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