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週刊Neue Fahne

2018年12月17日号

部下は上司の“姿勢とやる気”を適確に見抜く

企業組織で働くうえで仕事のやりがいを感じるためには、自分の行う仕事が組織全体の中でどのような位置づけにあるのかを理解することが欠かせない。同時に位置づけられている仕事に対して、自分がどのようにかかわっているのかという立場性が明確である必要がある。部下に対して頭ごなしに「これは業務なのだから四の五の言わずにやって当たり前だ」という単純な発想に基づいた指示は、指導とは無縁の管理職にとって単なる優越的な権威の乱用になる。
  この種の仕事の指示のやり方では、部下が「自分の仕事の背景がよくわからない。自分が組織に対してどのような貢献をしているのか、実感できない…」という不安を持つのが自明のことである。「仕事だからやりなさい」というだけでは、部下に経営情報を十分に提示していないということでもある。従って、部下は仕事の全体像を把握できずに「目の前の事柄」をこなすことに終始することになる。
 
  管理職には部下に与えた仕事が組織全体の中でどのように位置づけられているのかを明瞭に説明する最低限の配慮が必要となる。つまり、部下に与える仕事の部署の中での位置づけ、部門における位置づけ、組織全体における位置づけ、さらには将来の会社における位置づけなど、各段階における位置づけを正しく説明する必要がある。上司が部下に指示を出す場合には、仕事に対する「説明責任」を負わなければならないということだ。
  上司の側が部下に対して、指示する仕事の内容はもとより、その仕事を展開する意味や成就した後に得られる成果内容などを事前にしっかりと説明し、納得させなければならないということでもある。上司がこの位置づけや意味づけを怠っているならば、部下は決して企業経営へ当事者意識も持つことはできない。

  当事者意識も持つとは、「経営への参画意識」と同意語でもある。部下は自らの仕事内容を自分の将来との関係において考えているものである。つまり、いまの仕事の延長線上に自分自身の成長をイメージすることができなければ、仕事に真正面から向き合うことなどできない。さらにいえば、自分が仕事上の壁に遭遇した時に適時適切なアドバイスを与えてくれない上司に対しては、信頼感を持つこともない。
  逆にいえば仕事の位置づけ、意味づけ、そして自分にとっての価値を明確に示してくれる上司の下では、多少の無理難題にも応えてくれるものだ。上司の側が企業組織での指示・命令関係を単純に上下関係に依存した“権威に基づくパワーの発揮”に矮小化させるならば、部下は面従腹背で応えることになる。

  部下が上司に期待するのは、“自分の手に余る事柄への対処を率先して処理できる具体的な胆力を示せる存在”であることだ。日常的な仕事の進め方に対して瑣末な事柄に対して、重箱の隅を突くように微に入り細に入り口をはさむことではない。こうした手法に終始する上司は結局のところ大局観が持てず、部下と同レベルの仕事内容に終始することになる。
  上司の側が部下の直面する問題や課題に対して真摯に向き合うのか、それとも「自分で解決しろ」といわんばかりに、いい加減な対応でお茶を濁すのかの違いで、部下の仕事に対する感心度も姿勢も異なってくるのは当然である。部下は上司の仕事ぶりのみならず部下との接し方を通して、上司の“姿勢とやる気”を適確かつ鋭く見抜くものだ。

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