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週刊Neue Fahne

2018年12月24日号

思考停止につながる「固定観念」と「思い込み」

 人間は誰しも自分の行動を規制してしまう観念に陥る危険性を持っている。これは心の中にこり固まっていて、他人の意見や周りの状況を受け入れることができず、行動を規定する意識である。いわゆる「固定観念」に取り憑かれるというやつだ。企業組織に属している者にとっては、職場経験の蓄積や立場・役割によってこの「固定観念」が無意識のうちに強固になる危険性がある。特に大きな成功を収めた「過去の成功体験」という「固定観念」に取り憑かれてしまうならば、たとえば、第三者から見て明らかな誤りや不自然と思えるような状態でも、自説を訂正できなくなるものだ。

 ビジネス現場では「固定観念」と同様に「思い込み」も非常に危険である。「固定観念」に陥るとある考え方に執着してしまい、合理的な判断を阻害する。目の前で起こっている事柄を分析し因果関係などを推し測ることなく、真実だと信じてしまうということになる。そして結果的に健全な判断を下すことができなくなる。
 とりわけ、上司・先輩の発言や行動を鵜呑みにして無批判に「○○がいっているから正しい」と思い込むなどの権威に流されることにもなる。これは上司からの指示・命令を無視してよいということではない。あくまでも権威に阿ることなく自分自身の頭で考えて物事を判断しなければならないという意味だ。「思い込み」が高じてくると結果的に他者からの説得や指摘されても拒絶することになる。「思い込み」は視野の狭さの表れでもある。

「固定観念」にしろ「思い込み」にしろ、ビジネスや仕事の展開では、これほど危険なものはない。何故ならば「絶対にこうである」という考え方が頭から離れなくなるからだ。そして、自分自身の考え方を拘束し、行動をも規定したりすることになる。また、一度定められた考え方や型にはまった行動から離れられなくなるからだ。つまり「固定観念」や「思い込み」は思考することそれ自体を停止することになる。
 こうした「固定観念」に取りつかれていると、大きな変化時代にあって仕事を柔軟に進めていくことはできない。ひいては、仕事以外の自分の人生までもが、型にはまったつまらないものになってしまうものだ。「固定観念」や「思い込みは」は、成功者に限ったことではない。自分たちの日常業務のなかで日々発生する危険性があると自覚しておかなければならない。

 日常の業務過程でも「固定観念」や「思い込み」は常に発生する。上司や先輩から新たな仕事を頼まれた時に、従来の経験則に囚われているならば、口に出すか出さないかは別問題として、「できない」と思ってしまう。しかし、「できない」との思いには二種類ある。明らかに「やりたくない」という意味での「できない」という思いは論外だ。しかし、「今までのやり方や通常のやり方ではできない」という思いは、別の方法や手段を講じたならば、「できるかもしれない」という可能性を含んでいるものだ。
 つまり、「固定観念」や「思い込み」に囚われない思考を堅持するとは、可能性の幅を狭めてはならないということでもある。仕事にとって「万古不易」は存在しない。変化が激しい今日の仕事では、「固定観念」や「思い込み」を打ち破るため、従来からの考え方の埒外のものを率直に認める勇気と変化を受け入れる柔軟さが必要となる。

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