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週刊Neue Fahne

2019年04月01日号

OJT担当者の心得 −2− OJTは管理職の重要な任務である

あまたのビジネス書にOJTとは「部下育成」「職場内教育」「仕事を通して、上司が部下に必要な知識、技術を計画的に教育すること」と書かれている。それぞれ表現は異なるが、OJTとは上司が部下を「教育、指導」することである。つまり、目標を明確に示して、指示・命令する、報告をさせる一連の行為である。このため、OJTと日常の業務指導を切り離して考える必要はない。日常的に行っている部下指導こそがOJTである。
  そこで、OJT担当者には業務指導を行う権限を付与しなければならず、単なる「面倒もの良い先輩」という立場では務まらない。何故ならば、OJTとはあくまでも日常の業務指導を通して新入社員をレベルアップさせなければならないからだ。従って、OJTは一定の職責を持つ者が担当しなければ意味がない。

  多くの管理者が抱くOJTのイメージは「マンツーマンで手とり足とり教えなければならない」というものだ。このイメージに取りつかれているとOJTを「面倒なもの」ないし「仕事が忙しくてやっているヒマはない」と思いがちになる。しかし、OJTは決して“特別なこと”ではない。OJTを展開する目的がとどのつまりは「業績向上にある」と位置づけるのであればなおさらである。
  このため管理者は、部下の仕事に対する意欲を喚起し、計画的な指導でより早く一人前の企業人に育てる必要がある。しかし、「OJTは業績に直結しない」と考える管理者が少なくない。この種の考えが根底にあるならば、「業績アップを考えるなら、新人に仕事を教えるより、自分の仕事に精力を傾けたほうが効率的だ」という誤った言い分がまかり通ることになる。

  OJTは単なる場当たり的な教育・指導でもなければ、まして部下のご機嫌をとるためのコミュニケーションの繰り返しでもない。さらに初歩的なことを教えることだけがOJTではない。管理職はあくまでもOJTそのものが、経営環境の変化に対応する強い組織づくりに深く結びついていることを再認識する必要がある。「部下指導することがOJTだというなら、自分は毎日やっている」と思う管理職もいるだろう。
  しかし、ここで注意しなければならないことは、管理職自身が「自分の部下への指導を意識的に展開しているだろうか…」という内省だ。つまり、自らが思いつきの言動や行為に終始していないかという確認が必要ということだ。さらには常に自分自身が部下を意識した行動をとっているのかというという検証も必要となる。管理職による無意識で無計画な行動は、決してOJTとはいえない。一言でいえば、部下一人ひとりの成長を意識した指導を行うことがOJTにとって肝となるということだ。

  管理者にとってOJTを「初歩的なことをつきっきりで教える」ことや「現場を経験させれば自然に身につくもの」と捉えることがもっとも危険である。同時に新人に会社や業界のルールを教える、機器の操作を学ばせる、同行営業の繰り返し等は、あくまでも個々人の成長の助走に過ぎないということだ。単純な業務スキルの修得がストレートに自らの成長に向けた目的意識的な就労意識の確立に結びつくわけではない。新人は決して自然発生的に就労意識を形成することはない。

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