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週刊Neue Fahne

2019年06月03日号

OJT担当者の心得 −7−自分で目標を設定させて、公言させる

若手・新人には“自らの業務目標を設定させ、その進捗や実行を自ら主体的に管理する”という姿勢を堅持させなければならない。日本では「目標による管理」が、「目標管理」と呼ばれるようになった。そして、いつしかノルマと同一視され、上から下への一方通行の目標提示と理解され、「目標管理」として定着してしまった。
  つまり、単に部下に目標を与えて、上司が部下の目標を管理するだけになってしまった。部下にとって内発化されない「目標」は、単なる「上からの指示」に終わってしまうものだ。従って、目標が与えられる前に自分自身が目標を設定し、その進捗の度合いを自主的にマネジメントしていく姿勢を堅持させる意識を身に付けさせることがOJTの役割である。

  自主的に自分自身をマネジメントするとは、仕事において「やらされ感」を払拭していく道でもある。「時間があればやる」「余裕があったら…」などという漠然とした希望や思いを抱いているだけでは、そもそも目標を設定することさえできない。「何を、いつまでに、どれだけ」と、まず明確な目標があって、はじめて具体的な行動計画を自分自身で立てることができる。
  若手・新人はスケジュール管理が不得手であるといわれ始めて久しい。しかし、「目標」それ自体が不明確であればスケジュール設定など意味がないことになる。若手・新人に漠然とした「希望」や「願望」を語らせるのではなく、自らの「目標」を明確に公言させていく姿勢を植え付けていくことがOJT担当者の任務である。

「不言実行」が美徳とされてきた時代があった。「謙譲の美徳」がもてはやされた時代もあった。もちろん、周囲を慮る姿勢は態度能力の重要な要素であり、周囲を顧みない態度でビジネスなど展開できるはずもない。しかし、自らが掲げる目標を明確に語り、達成に向けて貪欲に立ち向かう場合に遠慮は無用だ。「不言」のままであれば、誰に約束したわけでもないため、その成否の結果が曖昧化されてしまう。できなくても、誰に約束したわけでもないから、許されてしまう。しまいには自分自身にも甘えができるから、よけい実行できなくなる。
  さらにいえば、自ら立てた「目標」には、必ず「いつまでに、何を、どのくらい」という数値を加えて「公言」することだ。周囲に宣言することだ。ビジネス人生の中で必要な姿勢は、何事においても「自らが目標」を立て、その目標を自ら管理していく自己管理が必要ということだ。

「向こう傷を恐れるな!」という言葉がある。目標に向かって挑む過程で体の前面に受けた傷は、「後ろからの傷」よりもマシだという意味だ。「後ろ傷」は、「逃げる」時に受ける傷で心にも傷を残すものだからだ。仕事において何の勝算もなく無謀な決断をするのは誤りだ。自分に課せられた課題、役割に対してしっかりと分析し、成果に向けての道筋を立てて臨まなければならない。
  しかし、すべての仕事において絶対確実な成果が最初から保障されていることはあり得ない。何時までも「ああだ、こうだ」と考えている間に勝機を逃してしまうことだってある。まして、時代変化が激しい今日では、実践を通じて「泳ぎの中で泳ぎを覚える」という意識を持たせていくことがOJTにとっても重要なことである。もちろん、OJT担当者自身がこうした意識を堅持することが大前提である。

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