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週刊Neue Fahne

2020年06月15日号

分岐点に立つ覚悟-3- 陳腐な既得権意識からの決別

人は自らが育ってきた時代や社会環境による生育履歴に規定されてしまうものだ。企業組織を構成する一人ひとりの育ってきた時代や社会背景の違いは、企業の組織活動にも大きな影響を与える。今日の企業組織の年代構成は、概ね20代から60代までと幅が広い。この年代の幅は如何ともしがたい。このため年代別(世代間)に価値観の相違を含めた軋轢を生じさせることは、致し方がないことでもある。
  一方で各企業における新卒一括採用の下で、学校を卒業し企業人、組織人として働き始めた新人は、最初に属した組織の環境からも影響を受けることになる。一般的に「最初の職場での体験が大きく左右する」ないし「最初に指導された上司の善し悪しで、決まってしまう」といわれるのはこのためだろう。特に最初の職場で身についた悪しき体質やクセを払拭していくのはなかなか難しいものだ。そして、これが転職時にも大きく影響してくる。

  企業組織の発展とともに各状況で形成される環境変化も従業員の意識を規定することになる。創業まもない時期であれば、組織全体が思考錯誤を繰り返していくため、自分の行う業務範囲の変化や新しい仕事内容が増えることが日常と受け止められる。そして、時を経るにしたがって、社員も増加し業務部門も細分化される。これに応じて、一人ひとりの社員が担当する業務内容も細分化と固定化がはじまる。こうした経緯は正に組織の発展として受け止められ組織環境として形成されてくる。なぜなら部門の確立や一人ひとりの担当部署の明確化は、組織体として効率化と受け止めるからだ。
  しかし、ここに落とし穴もある。組織体として個々の部門や担当部署の業務領域を明確化させて、効率化(分業化)が進めば進むほど、今度はそれぞれの領域を守るという意識を芽生えてくる。つまり、与えられた自部門や部署に長く従事すればするほど、愛着と同時にそれぞれの構成員の中に自らの置かれている環境を守る「既得権意識」が生まれてくるからだ。

  企業組織の「既得権意識」とは、長い社歴の中で部門・部署、あるいは個人に蓄積されてしまう組織環境に他ならない。たとえば、企業組織には往々にして、どう考えても非効率な作業や誰が始めたのかは全く不明だが、なぜか誰もが踏襲している行事などかある。こうしたことを改めようとすると、何処からともなく圧力がかかり、改革の動きが潰されてしまことが起こる。
  明確な反対が表明され公然とした議論が沸き起こるのであれば、組織体としては活性化しているので問題はない。しかし、どこで、誰が決めたのかも不明なことが、暗黙の了解として継続・踏襲され、改革の動きが潰されるという「どうしようもない現実」が起こり始める。さらには直接的なラインの外に意思決定者が存在するなどという摩訶不思議な組織環境が生まれ始める。こうした段階に至ると、組織体は徐々に死に体と化していくものだ。

  会社組織が死に体に陥っていくのは、組織を構成する一人ひとりの「これまでと同じ」でありたいという組織環境の防衛意識に起因する場合が多い。確かに仕事上で従来からの組織環境に甘んじて、「これまでと同じ」ことを繰り返すことは、非常に楽なことでもある。しかし、知らず知らずに企業組織を取り巻く外部環境の変化に無頓着になる。
  外部経営環境が変化しているにも関わらず、それが自分の属する企業の組織環境に与える変化を想像できなければ、一層に既得権を守らざるを得なくなる。企業の組織環境の変化とは、従前の雇用制度からの転換も含まれる。仮に変化に目を瞑ったままであるならば、「既得権」を守る意識を陳腐に助長することにもなる。こうした意識のままでいるならば、劇的な環境変化に対応できなく絶滅した恐竜と同じ道が待っているだけだ。

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