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週刊Neue Fahne

2021年05月10日号

テレワーク下でも普遍のマネジメント姿勢 -8- 相談の受入れ姿勢を検証する

テレワーク下であろうがなかろうが部下から相談をしにくいと思われる上司は、現場の情報や問題から必然的に遠ざかることになる。上司の側がテレワークを理由として部下と接する機会が減少したなどと考えるのは、対面業務中であっても部下からの相談を受け入れていなかった証左でしかありえない。
  こうした上司に限って「部下と接する機会」とは、飲み会の機会が減ったというのと同意語に過ぎない。飲み会の席を設ければ部下と接する機会が増えたなどと思うこと自体が、自らのマネジメント姿勢の陳腐さを露呈するようなものだ。

  一般的に「相談」とは、上司から部下に催促して行うものではない。部下が仕事で悩んだり、困ったりしたときに、自分から上司にアドバイスを求めるものである。従って、上司に対して適時に相談をしない部下は「報告・連絡・相談」の意味を理解していないことになる。しかし、実際の現場では部下し上司に対して「相談」をしにくいものである。部下が上司に相談をしない理由は様々だ。
  部下の側にプライドあり、瑣末な問題で上司に相談をしたならば、「自分の能力不足が問われるのではないか」と危惧するケースもある。あるいは、「上司を煩わせるのは失礼だ」などと勘違いをしている場合もある。あるいは仕事上のことであっても、「自分のことだから、上司には相談できない」と勝手に思い込んでいる場合もある。しかし、こうした部下を放置していては、問題の発見が遅くなる。上司の側がいつでも相談を受け入れるというオープンな姿勢を示さなければならない。

  もちろん部下のプライベートな事柄に対する相談を拒絶する必要はない。しかし、ことさらプライベートな問題に対する相談を部下に要求する上司は、部下から単なる物見遊山なお節介と受け取られる。上司の側が重視しなければならないのは、あくまでも仕事上の相談である。繰り返しになるが上司が部下からの相談を受け入れていなければ、現場で発生している生の情報や問題から遠ざかり、ひいては「裸の王様」状態に陥ることになる。
 上司は部下から仕事上の問題について相談されるのを待つのではなく、自ら部下に相談を促していく必要がある。ただし、この促す行為は実に手間はかかる行為であることを覚悟しなければならない。一言でいえば面倒である。しかし、この面倒な行為こそが現場マネジメントに他ならない。

  上司は部下に対して相談を歓迎するというメッセージを常に出し続けなければならない。ただし、「困ったときは、いつでも相談に来てください」などとお為ごかしのアピールは意味がない。上司が部下からの相談を受け入れるとは、日常的な部下との接し方を再考することから始める必要がある。部下が上司に相談をしないのは、上司の側が部下からの相談を拒む姿勢を敏感に感じ取っている場合が多い。
  その最たる姿勢が部下の話を最後まで聴かないことである。部下からの相談を受けるとは、部下の仕事の状況や心理状態を掴む絶好のチャンスである。部下からの相談を受ける場合には、途中で部下の発言を遮ったり、自分の考えを押し付けたりすることなく、最後まで丁寧に聴いて部下の状況を把握することに努めることである。部下にとっても、上司に相談すれば安心できることを実感させる環境を上司の側がつくるということだ。そのために上司が日常的な部下との接し方を検証していく必要がある。

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