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週刊Neue Fahne

2022年02月28日号

己の働き方を再考察 −7− 仕事を通した健全な自信の形成

「普通」という言葉にはさまざまな意味合いがある。「並である」という意味で用いるならば、「何事も普通でありたい」との意識は“可もなく不可もなくありたい”との思いにも通じる。仕事に関していえば可能な限り自らの存在を際立たせることなく、穏便であることに満足や安心を見出すことにもつながる。
  組織体の中で過度に「普通でありたい」との思いが強ければ、周りから「浮いてしまう」ことや「突出してしまう」ことを恐れる迎合や悪い意味での忖度にもなる。そしてこれは最終的に自己保身にもつながることになる。組織を構成する一人ひとりが自己保身に走ったならば、組織から活性化が失われていくことは明らかだ。

「普通である」ことを集団の中に自らを意識的に埋没させる便利な言葉として用いるならば、仕事を通した自らの成長を阻害することになる。自分自身が成長したいと考えるのであれば、他人と同じであることに満足していてはならない。他人と同レベルであることに満足してしまっていては、自分の成長は止まってしまうものだ。もちろん、何の根拠もなく他人との違いを無意味に主張することではない。うぬぼれや浅はかなプライドに固執することでもない。
  仕事で自分が成長していくということは、職務能力の修得を通して人間的な幅を広げ社会に貢献していくことに通じている。会社組織の中で優位性のある能力を持った人材は、様々な部門や部署から横断的に声がかかる。「こういう仕事はアイツに限る」という引き合いがかかるのは、周囲から存在を認知される証左ともなる。もちろん資格取得も社内で差別化された能力を証明する一つの方法であることに違い。優位性のある能力とは単に資格を取得しているということではない。

  組織の中から横断的に声をかけられることを厭うことなく、様々な仕事に興味や好奇心を持って取り組むことも立派な優位性のある能力である。自らの興味や好奇心があればますます多彩な仕事に参画する機会が増え、自分の業務領域が拡大していくことになる。同時に単に声をかけられる存在から、いつしか自分の考えや方針を周りに浸透させていくことができる力がついてくる。
  周囲からの「この問題はAさんに聞けば分かる」「こういう仕事はBさんに任せれば大丈夫」「こういう問題の処理はCさんに限る」という声は、広い意味では評価でもある。通常の仕事の能力を前提とした広い意味での評価を得ている者は、役職に関係なく社内ではなくてはならない存在感を示すことになる。

  代替が効かない非コモディティ的な人材は周囲から評価される。仕事を人並みにこなしていくことで「大過なく過ごす」ことに満足していては、自分自身を発揮することはできない。無鉄砲に達成が不可能な無理な目標を設定する必要もない。さらには根拠のない楽観主義を振りまく必要もない。
  ただし、仕事を行う上で「困難な時には委縮することなく光明に目を向ける」というポジティブ思考が必要だ。ポジティブ思考がなければ仕事を通して自分自身に誇りと自信を醸成することもできない。健全な自信は仕事を“自らの事”として展開した結果から得られる成果と評価の蓄積によって形成されていくものだ。

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