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週刊Neue Fahne

2022年05月23日号

時代認識と自己マネジメント-5- 自ら仕事を買って出て創り出す

ビジネスの世界では「自分の仕事は他者から与えられるものではなく、自分で見つけて創り出すもの」というのが鉄則である。とりわけこの鉄則を意識することは、新人を含め若手にとって必要不可欠なことである。もちろん会社や上司から与えられた仕事を手際よく熟していくことは基本中の基本である。その上で、さらに自分のやるべき仕事を自分で見つけ、自主的に取り組む姿勢を身につけることが必要だ。
  残念ながら本来このことを自らの行動で示す必要がある中高年世代の中には、全くこの意識が希薄になっている者が多い。この意識が希薄であれば、おのずと与えられた事柄を唯々諾々と熟しているだけの働きに終始していることになる。これらの働き方に終始している中高年世代は、決して新人・若手にとってロールモデルとはならない。

  仕事が与えられることを口を開けてただ待っているのではなく、自ら「こんなことをやりたい」「これをやらせてほしい」という積極的な自己主張や提案思考が求められる。実はこれはこれからの無話ではなく、昔からもそうであった。もちろん、このためには従前のやり方を「如何に効率のようものに変えていくのか」という変革思考が前提でなければならない。
  自分自身の中に「仕事は指示されて行なうもの」「与えられた仕事さえこなしていればいい」との考えが存在しているならば、先ずその認識を改めるべきである。主体性のないままにいわれたことだけをやっていては、自らの成長を止めてしまうだけではなく、正に「奴隷労働」に身を置くことと同じである。自らのロールモデルは自らが創り出していくという姿勢が必要ということだ。

  会社組織の仕事においては先達の進め方や方法が必ず存在している。だが、それをそのまま踏襲するのではなく、より効率的な方法に改善していく必要もあるはずだ。あるいは会社理念や目的に照らし合わせて、新たなビジネスモデル構築に向けた提案をしていくことも必要となる。同時に会社組織での働きは必ず組織的でなければならない。自分にとって良いことが、他者にとっては不合理な場合もある。そこで部門間連携の意識が不可欠となる。
  自分の仕事や働きも必ず誰かの仕事や働きとつながっているということを忘れてはならない。自分の最適化だけではなく、あくまでも全体最適を指向していかなければならない。常に意識しなければならないことは、自分の仕事や働きは組織にとって、如何に最善なものであるのかという発想の下で、自らの行動を反芻し続けるということだ。

  そのためにも先ずは、自分から仕事を買って出ることが重要となる。指示された仕事、与えられた仕事を過不足なく熟すことは、非常に楽な働き方でもある。かつてはこの「楽な働き方」をしていても社会全体の成長に合わせて会社組織も相応の成長が見込まれた時代もあった。しかし、変化が激しく安定した成長軌道が見込まれない時代では、この種の「楽な働き方」の集団で構成された組織に明日はない。
「楽な働き方」に甘んじているならば、企業組織はだけではなく、自分自身の成長にも「明日はない」と思わなければならない。これからの働きにおいては、自分が担当することだけにとらわれず、自ら広く仕事を買って出ることが重要である。仮に「余計なお世話」と思われても気にする必要はない。自らが仕事を買って出ることは、自分を成長させる近道であり、自分から何かをやろうとする貪欲な姿勢が、結果的に会社組織での協働を創り出していく萌芽にもなる。

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