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週刊Neue Fahne

2022年06月20日号

時代認識と自己マネジメント-9- 企業組織内で明確な存在意義を示す

企業組織での仕事ではかけたコストに見合った成果が求められる。当然ながら過ぎ去った時間コストは取り戻しができない。従って、やり直しの仕事が如何に余計なコストであるかは明らかだ。新入社員に対して時間管理の重要性をしつこく説くのはこのためだ。上司からの指示が曖昧であり、それを曖昧なままにして仕事を展開するならば、上司が本来求めていた成果物とはかけ離れたものになる危険性がある。
  もちろん、上司の側は明確な指示を出さなければならない。「このぐらいは当然理解しているだろう…」という姿勢は通用しない。一方で指示の受け手が自らに求められている成果物をアウトプットできなかった場合には、往々にして「指示の仕方が不明確だ!」との不満を持つ傾向がある。しかし、この不満をいくら抱いても詮無いことである。何故ならば受け手にも仕事の内容を十全に理解して仕事を進めるという責任があるからだ。

  自分に与えられた指示や仕事に疑問点があれば、“何のためにやる仕事なのか”を自分自身で理解するように努める姿勢を堅持しなければならない。同時に指示の内容に対してしつこく食い下がり、自分自身が納得して仕事に取り組まなければならない。仕事を行う上で一番大切なことは、最初にその仕事の「目的と意味」の理解である。
  自分が行う仕事は企業組織の業務フロー全体の中で、“何処に位置付けられているのか”、“自分の仕事の後工程はどのように進むのか”を意識しないで仕事を繰り返すならば、その仕事は必ず作業として行われることになる。自らの仕事は常に業務フローで最終目的に至る過程での前段階の仕事である。しかし、自分が「最終目的」を知らなくて良いということにはならない。

  常に自分に与えられた仕事の目的と内容を明瞭にした仕事のスタイルを堅持することは、仕事への関わりにおいて自らの“存在意義”の確立につながる。企業組織への「ぶら下がり」の典型は、いわれた事はするが、いわれない事はしないというものだ。ひと昔前までの時代では、上からいわれた事をしっかりと実行することが重要な資質されてきた。同時に管理監督の立場のポジションである現場マネジャーは、経営幹部の指示をそのまま過不足なく末端まで伝える中間的役割の重要性が唱えられた。
  今日ではこの種の“中間的役割を熟すことが役割である”と考えている現場マネジャーは、早晩その存在意義が問われることになる。企業規模の大小を問わず企業組織では、個々人の主体的イニシアチィブが非常に重要になっている。直截にいえば企業組織においては、屋上屋となっている業務を極力削減し、より少数の人員で最適な効率を図らなければならないからだ。

  実はこの種のことは今に始まったことではない。つまり、共通の目的の下に集まり、それぞれ役割に応じて協働をすることは当たり前のことである。乱暴にいうならばこの当たり前のことが、なされずともそれなりに済まされてきた。このことが今日の日本社会のあり様を規定してしまったといっても過言ではない。企業組織での仕事とは、本来的にやるべきことに対して「いちいちいわれてから動く」というスタイルが通用しない。
  職位にかかわらず一人ひとりが、誰かにいわれてから動くのではなく、企業組織の大方向や指示の正当性や意味を自分なりにしっかり咀嚼していかなければならない。そのうえで具体的にやるべきことを自分で予測して、いわれなくとも実行することが求められる。この仕事スタイルが確立していかなければ、企業組織内において自らの“存在意義”を示していくことなどできない。企業組織内での“存在意義”とは、ポジションと言い換えることもできる。つまり、周囲から“存在意義”が認知されない仕事ぶりは、今現在において就いているポジションからの退却が求められる。

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