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週刊Neue Fahne

2023年06月12日号

マネジメント行動の再検証-5-若手・新人への意図的に計画的な指導と育成

いまだに若手・新人を迎え入れる現場では旧態依然とした接し方が横行している。旧態依然とした接し方とは、厳しい叱責が日常化していることや些細なミスに対して重箱の隅を楊枝でほじくるような指摘などが横行しているという意味ではない。何処の企業でも現場では上司・先輩の仕事を「見て覚えさせる」式の育成スタイルがいまだに主流になっているということだ。
  極端にいえば配属されてきた若手・新人と真剣に向き合うことなく、ただ単に「放置」状態においているということである。新入社員をはじめとする若手社員への指導・育成は、基本的に配属先である現場マネジメントの範疇に属するものだ。しかし、現場では日常業務の多忙さにより往々にして、若手・新人への育成に対する意識が希薄になる。このため、「OJTという名の放置」に拍車がかかっている。

  若手・新入社員が育ってきた社会環境は、育成する側が育ってきた環境と大きく異なっている。さらにはデジタルネイティブ世代の若手・新入社員に対して、職場内の年長者が必ずしも優位性を発揮できない局面が日常的に生まれはじめている。若手・新人が“上司に何を求めるのか”とう調査でトップになったのは、「わかりやすい言葉で説明してくれる」「丁寧に教えてくれる」とのことだ。
  もちろん、「場合によっては叱ってくれる」「仕事の結果に対する情熱をもっている」という回答は存在している。しかし、この種の指導に対する要望は年々減っている。若手社員の離職理由では、「相談できる上司や同僚、先輩がいないなど職場の人間関係が好ましくない」が第一位である。今日では職場での働き方や一人ひとりの仕事に対する取り組み姿勢が、画一化から多様化へと変化している。

  確かに二世代前あるいは一世代前までは「見て覚えさせる」式の育成スタイルも通用した。何故ならばこの育成スタイルは、職場内に家族的な共同体意識(濃密な職場関係)が存在し、長期的な安定雇用も可能であった時代には有効に機能したからだ。直截にいえば上司や先輩がさほど手をかけずとも「部下が見よう見まねで勝手に育ってくれた」という時間的な余裕もあったということだ。この時代の職場環境で育った世代にとっては、「見て覚えさせる」式の育成しか理解できないのも当然である。 
  厚生労働省の「新規学卒就職者の離職状況報告書」によれば就職後3年以内の離職率は、新規高卒就職者が35.9%、新規大卒就職者が31.5%という状況である。業種により異なるが大卒の事業規模別離職率は「100〜499人 」で49.4%、「1,000人以上」で24.7%と明らかに企業規模が大きいほど離職率が低くなっている。日本の企業規模の実態を考えるならば、ほとんどの企業で雇用が流動化していることは自明のことである。つまり、そもそも離職率が高い大手企業以外のほとんどの企業は、若手・新人に対して無策であるならば更に離職率が高まるということである。

「最近の若い者は…」というステレオタイプによる若者論が横行し、最近では「Z世代論」も喧伝されるようになった。このためか現場の管理職には若手・新人を最初から異質な「解り合えない存在」という意識が先行する傾向もある。しかし、現場で直接的であれ間接的であれ若手・新人の育成に関わる管理職は、若手・新入を取り巻く世相やこれに規定される就労観や価値観に対して敏感に察知する感度が必要である。
  そのうえで“これまでの育成スタイルが通用しなくなってきている”という現状をしっかり認識しなければならない。なによりも「見て覚えさせる」式の育成スタイルが実際には、OJTにおいて「何もしないに等しかった」という認識に立ち、意図的に計画的な指導・育成を展開していく必要性を自覚しなければならない。

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