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週刊Neue Fahne

2023年11月13日号

マネジメント行動の再検証-20-組織内の異質性を許容する姿勢

マネジメント力の低い上司は往々にして部下の報告・連絡・相談を聞き流す傾向がある。上司は部下からの報告・連絡・相談を安易に扱ってはならない。とりわけ部下からの仕事上の相談に対して“自分ごと”として耳を傾ける姿勢が必要である。仮に相談内容に対して明解なアドバイスが出来ないのであれば、無理をして自らの優位性を保とうとする必要もない。まして回答できないことを恥じる必要もない。部下の抱えている課題を受けとめる姿勢を示すだけで部下は安心する。
 そもそも上司があらゆる面で部下よりも優れているはずもない。むしろ、ある局面では部下の方が自分よりも優れている場合もある。しかし、部下の抱えている課題を知ろうともしない上司はマネジメント力が有るなし以前の問題である。上司の仕事で重要なのは部下の統率を取ることである。統率をとるとはただ部下に業務の指示をするだけではなく、一人ひとりの業務が最終的に“どこに向かっているのか”を指し示すことである。

 上司のマネジメント力は単に部下を自分の意に沿って“使い回す”ことの上手下手で測れるものではない。つまり、部下を外的にコントロールすることでも、細分に至るまで手取り足取りの指示を与えることでもない。部下に対して方向性を示し、部下自らが行動を起こせるように誘うことである。この誘いの手法は部下の状況やタイプによって異なり一律的なものではない。
 部下に能動的な行動を促すために上司は、部下の業務に対する習得状況や仕事への取り組み姿勢などを勘案して、臨機応変な働きかけをしていかなければならない。ただし、決して部下におもねる姿勢を見せてはならず、ご機嫌を窺う態度をとってはならない。また、それぞれの部下の一面性に依拠して軽々に部下同士を比較してはならない。仮に上司の側がこのような態度を部下に見せたならば、その瞬間から上司の統率は崩れることになる。
 
 部下同士の仕事ぶりを客観的に見比べることなく、優れている一面を過度に評価し、それを基準にして他の部下の仕事ぶりを評価するならば、一つの仕事が上手く出来ない者を過度に否定してしまう危険性がある。とりわけ上司が部下を評価する場合に注意しなければならないことは、自分の思考との同質性への過度なこだわりである。会社組織では特殊な専門性が求められている部門を除いて、組織を構成する一人ひとりの協働なくして成果を生み出していくことはできない。
 組織には自分と同質のタイプの部下もいれば、自分とは全く異なるタイプの部下もいる。つまり、多種多様な生育履歴を持つ者が共通の目的の下に集まっているのが組織である。仮に部下の中にミスは少ないがマイペースでしか仕事ができないタイプがいたならば、その部下に対してどのような評価を下すのか。「あいつは仕事が遅くてダメだ」とマイナスの判断をするか、あるいは「仕事は遅いが、確実にこなす」と捉えるのかということだ。

 ひとは自分と同じ行動特性を持っている者や、同じものの考え方をする者に好意を持ち、理解を示しがちだ。こうした傾向は、ある意味当然でもある。しかし、思考が同質的な者ばかりの組織が強い結束力を持つとも限らない。自分と異なる思考を持った者を排除し始めたならば組織は成立しなくなる。異なる思考の排除の行き着く先に待っているのは、組織の「派閥化」であり、組織の活性化は損なわれ活力が失われ、組織としての思考の幅を狭めた視野狭窄だ。
 同じ思考パターン同士が集まった組織は、一見するとまとまりがよく見える。また、以心伝心で意思決定が速いようにも見える。しかし、本来、組織力とは自分と異なる考えを持っている者同士が、違いを尊重しつつ意見をぶつけ合い新たな方向を見出すことで、既成の枠にとらわれない創発にある。自分の基準に囚われず、組織内の異質性を許容できる姿勢を持つことが、組織力の強化につながる。

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