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週刊Neue Fahne

2025年11月25日号

“働き方”と“管理職の在り方”に絡む思念-20-組織改革の主体的実践者になる

 AI時代の到来によって、私たちには根源的な問いが突きつけられている。私たちに問われているのは「自分ならどうするのか」という主体的な意思である。AIは過去データをもとに類似性を編み出すことは得意だが、自ら書きたい、描きたいという欲求はもたない。真っ白な紙を渡しても何も生み出せない。人間のみが「何を、なぜしたいのか」を考え、意思決定できる。この違いが、これからの時代における最大の価値となる。従って「何を、なぜ実現したいのか」を自ら定義できない人材は、この時代で存在価値を失っていく。
 仕事は「意思決定」と「作業」に分解される。作業はAIが代替する。では、意思決定ができない人間はどうなるのか。答えは明らかだ。AIに職域を侵食される未来を甘んじて受け入れるしかなくなる。専門知識や論理思考さえもAIが上回る時代に、受動的な働き方のままで生き残れると思うのは幻想である。

 問題は個人に留まらない。多くの企業が「慢性的な衰退」に既に足を踏み入れている。「今まで通り」が続く限り、企業は確実に弱っていく。静かだが確実に蝕む病のように、組織機能は低下し、競争力を失い、気づいたときには手遅れになる。
 分業化により人びとは自分の役割だけに閉じこもり、全体像を見失う。想像力が内側に引きこもると、外部環境の変化にも鈍感になる。問題の表面だけを撫でても、根本原因には届かない。この状態が長期化すれば、現状維持という名の後退が進むだけである。

 こうした悪循環を断ち切れる存在こそ中堅管理職である。現場のリアリティを誰より深く理解し、部下を育てながら、経営の意図を現場で具現化できる立場は他にない。つまり、中堅の主体的行動こそが改革の成否を決める。マネジメント能力の強化は「いつか」ではなく「今」求められている課題である。マネジメントとは、与えられた業務を管理することではない。
 マネジメントには未来へ向けた変化を設計し、推し進める行為も含まれる。小さな違和感を見逃さず、「なぜ」を起点に課題を掘り下げる。顧客、競合、異業種といった外の視点で自社を捉え直す。そして対話を通じて関係者を巻き込みながら、組織を一歩先へ導く意思決定を行う。それがこれから求められるマネジメントである。

 AI時代は、挑戦しない者から排除される。主体性の欠如は、個人だけでなく組織全体を沈ませる。だからこそ、中堅管理職は自らの意志で動き、変化を生み出す役割を担わなければならない。組織改革は経営会議ではなく、現場での日々の意思決定の積み重ねで実現される。主体的に考え、全体を捉え、意思を示し、行動に移す。この姿勢が企業の未来を左右する。
 変革は待っていても起きない。組織改革は自然発生的になされるものではない。誰かが始めなければ何も変わらない。AIではなく、中堅管理職自身が変化を起こす主体者である。必要なのは、踏み出す勇気と、自分が変革を起こす主体的存在であるという覚悟である。

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