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週刊Neue Fahne

2011年01月17日号

「指示依存社員」と裏腹の管理職のマネジメント力不足

 退職理由には様々だが多くの職場である日突然、社員が退職していくというケースが増えている。そこで退職者から退職理由をよくよく聞いてみると「上司が何も指導してくれない」という理由が増えている。こうした理由は自分の頭で考えずに指示された事は「忠実に実行する」というマジメさがある半面で、得てして指示されたこと以外は「出来ない」というあらわれでもある。

 単に上からの指示や命令された仕事をこなしているだけでは「面白い」はずはない。仮に最初から最後まで任された仕事の達成に向けて、自分の頭で考えて取り組んだならば、結果として不十分な成果しか得られないとしても、自分自身の蓄積になるものだ。上からの指示や指導されることだけに期待していては、周囲の顔色をうかがったり頼ったりする「癖」が自分についてしまう。さらには自分で仕事の成果をあげるための創意工夫すらしなくなってしまうものだ。
 自分が仕事の面白さや達成感を味わう機会を増やしたいのであれば、上司から1から10まで懇切丁寧に教えてもらうことは、自分は頼りにされていない存在だと恥じるべきだ。
過度に指導されないことは、逆に「頼られているのだ」と思うことも必要だ。仕事上の能力形成は、職務を離れたところでの読書や見聞による知識だけをつけても所詮は机上論だ。手取り足とりの指導を期待せず、自分に「任される責任」の意味をしっかりと理解することだ。

 一方で管理職の側が「指示依存社員」を生みだしてしまうケースもある。管理職の中には事あるごとに部下の仕事ぶりに対していちいち口を出すひとがいる。こうした管理職は口を出すことが「自分の仕事だ」と勘違いしているのだ。あるいは、「とにかく言われた事をやれ」という指示・命令することが役割と勘違いしている管理職も多い。こうした傾向の管理職は部下や若手社員の可能性の芽を摘み取ってしまう危険性すらあることに気づいていない。
 本来の管理職の仕事とは、可能な限り実務は部下に任せ自分がやるべきものではない。任せた上で、仕事の誤りや足りない部分を補う「支援者」との振る舞いが求められている。しかも、部下の仕事の欠点を管理職が補うのではなく、助言をして本人に問題点を考えさせ、本人に自覚させていくのが仕事だ。
 つまり、管理職の役割は、可能な限り部下が自分で気づき、自分で解決策を見出せるように仕向けることある。「指示を出すだけ」「過度な口出」という姿勢を取り続けていては、管理職もマネジメント能力を高めていくことができないという悪循環に陥る。

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