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週刊Neue Fahne

2012年10月08日号

自分自身の中にある「下請け意識」を検証する

 企業、とりわけ中小企業では「下請け体質」からの脱却が大きなテーマとなっている。では「下請け」とは何か。一般的には「大手企業や系列上位の企業から大きな仕事の一部を引き受けている業者」とされる。つまり、元請け企業の「風下」に位置し、元請けからの指示を忠実に実行するという力関係にあるということだ。
 こうした位置に企業が甘んじていては、いつまでたっても自社の独自性を発揮する機会がなく、ただ発注者である上位企業の顔色を伺い、いわれたことだけを忠実に行うことが習慣化することになる。しかも常に値引き要請の圧力にさらされる。そのため「下請け企業」に位置している企業経営者は、自社のこうした状況からの脱却を考えるものだ。さもなければ、いつまでたっても企業は独自的に成長できないし、元請けに生殺与奪を握られることになるからだ。

 翻って、個々の企業組織で働く側はどうであろうか。
もちろん「下請け」に位置している企業組織で働く者についてだけではない。企業という組織で働く者として、今一度自らの「働き方」を検証してみる必要がある。一言でいえば“自らの仕事スタイルが「下請け体質」になってはいないであろうか”という検証をしてみることだ。
 最近の若手社員の行動については「指示したことは実行するが、指示しないことは実行しない」と批判が絶えないが、はたして、こうした「指示待ち」は若手社員だけの特長として嗤えるのだろうか。

「下請け体質」からの脱却とは、単に企業の問題だけではなく、働く個々人の問題でもある。たとえば、営業職であれば単に同じことを繰り返すだけに終始して、「限られた得意先だけとの取引」「慣れ親しんだ担当者とばかりの面談」「売りやすい商品だけの提案」「顧客のいいなりの値引き」という悪弊に陥っていないであろうか。
 得意先からいわれたことをただ忠実にこなすのは、正しく「下請け体質」そのものだ。また、バックオフィスに位置するものが「ルーチンワークで忙しい」という理由で、新たな物事を指向しないのも「下請け体質」に毒されているといわなければならない。働きにおいて「下請け体質」とは、「これまでのやり方」にしがみ付くというある種の習慣化した思考停止を意味してしまう。

 既存の得意先への訪問、毎日続くルーチンワークに追われることが、忙しく仕事をしているということではない。自らの働きにおいても「下請け意識」から脱却が必要だ。仕事とは、いつまでたっても上からの指示を待ち、指示された事を消化するために口を上向けに開けていることではない。

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