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週刊Neue Fahne

2013年03月11日号

「固定化した仕事」に「居心地の良さ」と感じてはならない

 日々に自分が担当している仕事の中で改善や効率化が求められる。この視点は非常に重要なことである。日常業務に対して改善する意欲がなければ、自分の仕事の質を上げていくことはできない。ある意味では日本のこれまでの仕事スタイルはこの「改善」の繰り返しが求められてきた。そしてこの行為が一人ひとり仕事の価値を高めてきたのは事実だ。
 もちろん、仕事の価値を高めるためには自分一人の力だけではでは成果に結び付かないこともある。そのために自分と同じ部門・部署の人びととの協力が求められるので、コミュニケーション能力の重要性も強調されてきた。

 組織が大きくなればなるほど、一人ひとりの業務は細分化されていくのは当然なことだ。そして分化された業務に従事する者は、自分の担当する業務の中で改善・効率化を追求しなければならない。
 これは大企業組織に限ったことではない。企業規模に関係なく組織は業務効率の向上のために分業をしなければならない。一人の人間が会社組織での業務のすべてを行っていては、単なる個人の集合に過ぎず組織力を発揮することが出来ないのは当然のことだ。

 ところが、ここに大きな「落とし穴」が潜んでいることに気付く必要がある。それは、細分化された組織での仕事では自分のやるべき仕事が固定化してしまい他部門や他部署間との交流が減少し、最低限の連絡調整だけで事が足りてしまうと思うようになるからだ。この「固定化した仕事」は中小企業という組織内部でも往々に発生する。

 一旦こうした流れが出来上がると不思議なもので、自分の仕事に関わりの無い事柄に対しては無関心になる傾向が生まれてくるものだ。まして、会社組織での業務行動では、組織に属しているが故の弊害として自分に課せられている仕事の内容が固定化し、その業務に対する「改善・効率化」には目が行くが、自分に関係のない事柄に対しては無頓着になってしまう。
「固定化された仕事」とは自分がやるべきことが決まってしまうということだ。確かに「固定化された仕事」を繰り返していても所定の目標は当然達成することはできる。また、先にも述べたが「固定化された仕事」であったとしてもそこでの新たな改善・効率化を求めなければならない。

 問題なのは「固定化された仕事」に自分自身が「居心地のよさ」を感じてしまってはいないかを疑ってみることだ。「居心地のよさ」とは、自分の業務への精通しその業務に対する関心を持って改善・効率化を果たすことに「楽さ」を感じ始めるということだ。
 一見すると自分の仕事に真剣に取り組み、与えられた業務の改善・効率を考えることは、担当している者からすれば「批判される筋合いのものではない」と感じるかもしれない。しかし、この感覚に留まっていては、全体を俯瞰した変化対応が出来なくなってしまうことを忘れてはならない。

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