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週刊Neue Fahne

2014年11月17日号

管理職に必要な「コミュニケーション能力」

 企業人にはいろいろな能力が求められる。とりわけ多くの管理職は、自分の部下に「コミュニケーション能力」の高さを求めてやまない。ところが、管理職に“部下に求める「コミュニケーション能力」の有無を判断する基準は何か”と尋ねると甚だ曖昧なものとなってしまうものだ。
 そして、極めて一般的に「誰とでも話せる」「気づかいなどが上手い」「いつも明るい」「行動力がある」などを「コミュニケーション能力」の有無基準にしている。要は「誰とでも臆することなく話をすることができる」であるとか、「会話が上手」である等の点を基準にしているようだ。

 職場における業務行動で必要な「コミュニケーション」とは、単なる日常会話における話題の豊富さや洒脱さなどではないはずだ。日常の業務行動で求められるのは、先ずは打ち合わせ、会議、ブレスト、部門間交渉などの「就業場」で相手に対して自分の考えや意見を開示し、相手の意見を受容しながらコンセンサスを形成していく双方向性がとれているか否かである。
 この種の行動をしっかりとれることが、「コミュニケーション能力」の有無として判断指される。
 管理職は部下の「コミュニケーション能力」を判断する場合には、雄弁さや多多弁さではなく、周囲にどのような影響力を与えているのかという組織的な視点に立てなければならない。そして、部下の「コミュニケーション能力」の有無が気になり始めたならば、個々人の「能力」の問題としてではなく“組織的コミュニケーション”が機能不全に陥っているのではないかと疑う必要がある。
 職場における「コミュニケーション」不全とは、「報告・連絡・相談」が実質的に機能していない現象と同意語でもある。

「報告・連絡・相談」が機能していない職場では、間違いなく組織的な統治(ガバナンス)も機能しなくなることは必定だ。管理職は部下に「報告・連絡・相談」を求めるが、その際に双方向性を意識しなければならない。管理職は常に部下から「報告を受ける立場にある」と鎮座していては職場を統治することはできない。
 もちろん、管理職はむやみやたらと現場に下りて行って作業をやる必要もないし、部下からの不平不満を過度に受け入れ聴く必要もない。これらは管理職の自己満足に過ぎない。
管理職が行うコミュニケーションとは、自分自身の「仕事に対する姿勢」を示すことに尽きる。

 管理職がいくら言葉で部下を動かそうとしても限界がある。それは「聞き手」と「話し手」の力関係でもある。「話し手」である管理職が「聞き手」である部下に立場や役割を含めたある種の権威性が認められていなければ、「聞き手」は受け流すだけで終わる。
 この権威性とは、単純に「仕事ができる、できない」という職務能力の蓄積で形成されるものではない。まして、役職や肩書という「記号」が付いていれば自然に形成されるものでもない。
 管理職に権威性が付与されるのは、自分自身が仕事への欲に溢れ、公私の別をはっきりつけて、意欲的に仕事に取り組む基本スタンスによる。この姿勢を醸し出せている管理職は、「聞き手」である部下を動かすこともできる。

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